だって答えがわからないだもん


 チリン、と風鈴が涼しげな音を奏でた。窓から吹き込む風は心地良く、汗ばんだ身体をすり抜けていく。


 遠くから聞こえる蝉の鳴き声。

 木々の葉擦れ。

 深い青空と、流れゆく白い雲。


「夏だ……」


 しみじみと呟くと、夏らしくない友達のため息が聞こえた。


「ほらー、宿題やるよ〜」


 現実逃避、終了。

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