君と出会ったひと夏に


 茜色の空の下。額に浮き出た汗を拭い、ジョグで乱れた息を整える。


「ふぅ……」


 沈んでいく太陽の見える、いつも柔軟をしている芝生へ……あれ?


「なに?」


 空の同じ髪色の女の子が座っていた。


「いや……」


 見ない顔だな。


「久しぶりに里帰りしたから」


 心を読んだような返答。


 夏が、始まる音がした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る