奥手な2人のキューピッド


 突然の夕立。私は屋根のあるバス停で雨宿りをしていた。


「結構仲良かったのにな……」


 2時間前にした失恋の心に雨音が沁みる。するとそこへ、ずぶ濡れになった子猫が寄ってきた。何気なく撫でようと手を伸ばすと、


「ミィ! 3時間もいったいどこに!」


 公園に来なかった彼が、バス停に駆け込んできた。

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