5 技術分類図

図:https://19084.mitemin.net/i556147/


『文明の星』理論(仮説)では、文明の六要素について、

左右対称の形で、分かりやすく説明することができます。


さらにこの仮説では、文明を支える二本柱である、

技術と政策の内部分類も、対称的・合理的に説明できます。

この図では、技術の側の分類を示しました。


文明活動の本体である経済・社会活動を、

豊かにするのが技術、健全に保つのが政策だとすると、

技術はその経路ルートによって、

次の4種類に分類できます。


(1)主力(核心)技術……直接ルート

農耕・動力機関・電算機など、経済・社会活動を劇的に変え、

制度・政策にまで影響を及ぼして、

文明の発展段階を画する、画期技術とも呼びうる技術です。

その特徴は、在来技術を基礎としつつも、

①全く新しい技術分野をひらき(新規性)、

②他の多くの技術の生産性を高める(多能性)という、

2つの性質です。

また、ここでいう直接性とは物理的な直接性ではなく、

この文明段階を可能にした技術をひとつあげるならどれ?

といった文明発展における役割上の、直接性です。

逆に単体で見ると、農地の作物も当初は野生種と同じ、

エンジンやCPUだけあっても困るという感じで、

関連技術が加わることで初めてその効果が実現され、

大変な威力を発揮する、そんな技術だと思います。


(2)関連(周辺)技術……間接ルート

主力技術は農地や工場、電算組織コンピュータシステムなど、

物的資源に具現化されないと社会を豊かにできません。

関連技術は、技術の物的資源化に役立ち、

画期技術に対する実現技術とも呼びうる技術です。

農耕に対する食品加工・土木建築・冶金やきん技術、

動力機関に対する化学・機械・電気工学技術、

電算機コンピュータに対する通信、ロボット、

ソフトウエア工学の技術などがこれにあたります。

この技術はまた、次の主力技術を生み出す可能性のある

技術でもあります。


(3)研究・開発技術……自助ルート

広い意味では経済・社会活動の一部ともいえる、

科学・技術自体の研究・開発を助ける技術です。

研究・開発組織をひとつの小社会と見れば、

この研究・開発技術を、そのための電算組織や

観測・実験機器、研究組織といった技術に分け、

他の(1)(2)(4)の技術区分に含めることもできます。

しかし、この技術は他の技術を生み出す技術として重要であり、

また次の図6で述べる政策分類の、

〝研究・開発政策〟の分類基準にもなるので、

ひとつの技術分野と見てよいと思います。


(4)社会工学的技術……互助ルート

同じく、広義では経済・社会活動の一部でもある、

政策の立案・実施を助ける技術です。

これはさらに、相手方となる政策の分類に応じて、

3つに分けることができますが、

その分類については、図7でさらに詳しく述べます。

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