第217話 アウフスタイン・シャーク・ノルベルト・ルドルフ・ヴィッテヴェーン

 アウフスタイン・シャーク・ノルベルト・ルドルフ・ヴィッテヴェーン

 ヴィッテヴェーン王国の現国王。58歳。


 しかし国王は名前が長いので、フルネームを覚えている人は殆どいない。

 因みにトゥーニスは庶子なので、母親の姓を名乗っている。


 トゥーニス39歳。つまり国王陛下はかつてのパーティメンバーの女性に18歳でお手付きをし、19歳で父親になった。


 そして王都の名もヴィッテヴェーン。


 注

 ●今まで国名が出ていなかったようだが、作者が忘れていたわけでは決してない。

 単にどこかで出してなかったっけ?

 既に名前が出ているのに後から違う名前を出して間違った!となるのを避けたかっただけというのが実情。

 ●


 そして今国王陛下の背後に、かつてない危険が迫っていた。そして家臣達は見て見ぬふりを。


「いたっいたたた痛い痛い!」


 背後から2人の女性が忍び寄り、一人はこめかみを、もう1人は首根っこを掴んでいる。

 完璧な連携です。


 首根っこを掴んでいるのはトゥーニスの母親。

 メヒテルト・ファン・ホーヘンドルプ

 年齢は秘密。


 かつて国王陛下や宰相閣下と共に冒険者として名を馳せていたが、活動中に国王陛下の子供を妊娠。

 これを機に冒険者をやめ、市井でひっそり・・・・という性分ではなかったのか、出産後も行商で身を立て、息子が独立後も各地を行商している女傑。


「いいですかユスティネ。時と場合に鑑みて適切に振る舞うのが貴族の務め。それを怠った愚か者は、たとえ国の王であろうがこう ・・ですからね。今後貴女もトゥーニスがこんな事をしでかすようでしたらこう ・・しなさい。」


「は、はい。」

 ユスティネさん、困惑していますね。

 そしてこめかみを完璧に決めている女性こそ、国王陛下の正室、


 アンシェラ・シャーク・ノルベルト・ルドルフ・ヴィッテヴェーン

 年齢は不明。

 当然ながら王妃。

 2人とも50代と思われるも、顔を見る限りどう見ても30代にしか見えない。


 国王の名前が長すぎて結婚を躊躇ったようで、事ある毎に名前が長すぎるのがいけないと言っているらしい。


「ユスティネ殿、それでも言う事を聞かない場合、こうおっしゃい。もうせてあげませんわよ?」

「そ!それはないではないかアンシェラ!」


 ああ、国王陛下が泣いている!

 だけど国王陛下ともなれば、沢山の女性と、その・・・・


「もう、このようなおバカな事はしませんわね?」

「し、しない!」

「そうですか。では今回は大目に見ましょう。次はありませんのであしからず。」


 そして何事もなかったかのようにいずこかへ去っていきますが、流石に王妃様は戻ってきて、国王陛下の隣へ座りました。

 そして気が付けばメヒテルトさんでいいのかな?はユスティネさんの隣に居ました。

 うわあ、全く動きがわからなかったのですが。


「デルクよ、そのデルタという女性には会えるのか?」

「はい。僕達はこのカードにそう言った機能を組み込んでもらっていますので、デルタさんの居る場所にはいつでも行き来できます。」


「なんだと!それは余も行けるのか?」

 あれ?どうなんだろう。

「ちょっと待ってもらえますか?僕達以外にも行けるのか知らないんです。」

「無理なのか?」


「デルタさんに確認します。」


「ではそのデルタとやらをこの場に出現させる事は出来るのか?」

「どうでしょう?ちょっと待って下さい。確認します。」

 僕はデルタさんを呼び出します。




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