第198話 ダンジョンと精霊
「ダンジョンと精霊の関連性ですか?禁則事項に抵触するような事柄はないですね。つまり直接のかかわりはない、という事です。」
「ダンジョン固有の精霊がいない、という事ですか?」
ちょっと確認しましょう。
「ダンジョンを好む精霊は存在いたしますが、恐らく個性だと思われます。そして精霊も魔物と同様に、より強い精霊は魔素のより濃い場所を好みますので、理由は似たような事と思われますが、何分精霊に関してはあまり情報はありませんので、お力になれず申し訳ありません。」
つまりダンジョンの管理人であるデルタさんは、ダンジョンに関しては豊富な知識を所持していますが、精霊は直接ダンジョンを管理するにあたり居ても居なくても関係ないので詳しくない、という所でしょうか。
「ああやっぱりそうなのね。でもでも私がレベルアップした時、より高位の精霊を使役できるのだけど、これは?」
デルタさんダンジョンの管理人だから、あまり関係ないのじゃないかなロース。
「そうですね、精霊に関しては、いえ、恐らくテイマーも同じと思われますが、もし自身で扱えないような強力な精霊を従えたとして、維持できるでしょうか?そもそも精霊というのは己より格上の存在にしか従いませんし、興味もないと思われるので使役はできないでしょう。それに精霊使いは使役以前に召喚が出来ると伺っております。これは遠方の精霊をこちらへ無理やり呼びつけるものですから、やはり精霊が召喚に応じられるかどうかは術者のレベルに関わるでしょう。己より格下である術者の召喚は、精霊が抵抗できると思われます。」
「ああやっぱりそうなのね。私ってレベルが低いうちは召喚も成功しなかったし、使役と言っても本当に下位の精霊を使役できる程度だったから。」
「そもそも下位の精霊では召喚に堪える事は厳しいと思われます。」
どういう事?
「それはどういう事でしょうか?」
「私も詳しくありませんから、正確な知識とは言えません。ですが召喚というのは術者にも精霊にも負担がかかります。特に無理やり呼ばれる精霊の負担は相当なものでしょう。で、下位の精霊は召喚に応じようとしても途中で消滅いたします。恐らく魔力切れをおこすと考えれれます。」
召喚は魔力を使うんだ。
「精霊は魔素じゃなく魔力なのね?」
ロースがデルタさんに確認しています。
「魔素を魔力に変換し、それを活動する力としている、そう認識しています。己を存在させるのも魔力は必須と思われます。」
成程分かったようなわからなかったような。
でもこのぐらいの事ってロースは他の精霊使いから学ばなかったのかな?
「精霊使いって殆ど居ないのよ。少なくとも私に色々教えてくれる先輩精霊使いは近くに居なかったわ。」
成程精霊使いはレアジョブだしね。あ、デルタさんはテイマーにも触れていたけれど、テイマーは魔獣を使役するんだよね。
「デルタさん、テイマーはどうなんでしょうか?」
「どうと言われましても、テイマーも詳しくありませんよ。ただ精霊使いと同様、より強い個体を使役しようとすれば、己のレベルも高くないとそもそもテイムする時点で襲われます。」
まあそうだよね。
「ダンジョンの魔物はテイムできるのでしょうか?」
「ダンジョン産の魔物のテイムは無理です。それにこれは広く知られている事柄ですから禁則事項に触れない範囲で、という事になりますが、そもそもダンジョン産の魔物はダンジョンから出られても長く存在できません。魔素の関係があります。そしてダンジョン産の魔物は先だって発生したトラブル時もそうでしたが、ダンジョンから出たと言ってもダンジョン外でダンジョン産の魔物を仕留めても、結局ドロップアイテムを残し消滅いたします。ダンジョン産の魔物は身体維持を魔素に頼っています。」
これは禁則事項に抵触しないんだ。まあ確かに普通に知られている知識だしね。
ダンジョンの魔物が何かのきっかけで暴走し・・・・いわゆるスタンピートと言われる魔物の暴走・・・・ダンジョンの外に溢れ出す事があって、例のギルマスが意図的にスタンピートを起こした、という事なのかな。
うーん、知ってどうこうできる事柄じゃない気もしますが、どうなんだろう。
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