第116話 新たな修行
何とか怪我無くワイバーンを仕留められた。今はこれで満足しないとだよね。
デルクはふとそんな事を思ってしまう。
もうダンジョンに籠ってどれほどの時間が経ったか既にわからない。
そしていつまでもセシルに辛い思いをしてほしくない。
無意識にそんな事を思っていたデルクだが、未だその気持ちには気づかず、ただひたすらどうやったらダンジョンを脱出後、みんなを守れるか?
そんな事を考えていたので、可哀想なセシルはいつまでたってもデルクに振り向いてもらえないのだった・・・・
「セシルちゃん大変ね?」
「デルクだから仕方ない。」
鈍感ここに究めり。
男性陣の鈍さにロースとセシルは半ば諦めていたのだった・・・・
・・・・
・・・
・・
・
あれから更に数ヶ月が経過し、今は4人とも一撃でワイバーンを仕留める事を課題に実戦形式で戦っていた。
レイナウトの剣はワイバーンの首を一撃で切り落とす事は出来るのだが、そもそも首を攻撃するのに投げナイフでダメージを与え、ワイバーンを地面に引き込まないといけない。
デルクはレイナウトなら魔法でワイバーンの首元まで自力で到着できると考えているので、何とかワイバーン相手に魔法を使いこなしてほしいと思っている。
しかもそのデルクの考えを理解し、達成しようと努力するレイナウト。
だがやはり魔法と剣、同時に使うのはなかなかに難しく、相手が弱ければそれも簡単なのだが、ワイバーン相手となると魔法を発動する前にワイバーンが接近するので厳しい。
レイナウトはこれを克服するために必死になっている。
セシルはレイナウト同様、今や剣の一振りでワイバーンの首を落とせるが、同じ理由でワイバーンに剣での攻撃ができない。
もっぱら投擲で仕留めている。
最初は数回の投擲で仕留めていたが、今は2~3投で仕留める事が出来ている。
セシルは自分以外に対し魔法を唱える事は得意だが、自身に使う魔法はあまり得意ではなく、どちらかと言えば苦手。
自身に魔法を使いつつ戦えるようになれば剣を用い一撃で仕留める事が出来るはず。
そうデルクは思うのだが、中々厳しい。
そしてロース。
ロースはどうなんだろう?
彼女は精霊使いなのであって、直接武器で魔物を攻撃しない。
で、精霊はワイバーンをいとも簡単に仕留めてしまうので、ある意味一撃を達成している・・・・はず。
ただ彼女にも課題はある。
精霊を長時間留め置く事が出来ないのだ。
そうなると守りの精霊以外を諦め、自身の防御に専念せざるを得ない。
どうしたものか・・・・
しかしデルクは自身にも課題を設けている。
戦士のジョブを2つ使えばワイバーンを仕留めるのが楽なのだ。
だができれば一つのジョブで仕留めたいと思っている。
それは一体いつ達成できるのか?
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