第55話 地道に仕留めます
今日は疲れたので、寝る事にしました。
セシルが浄化のスキルを持っているので、浄化を使ってもらい綺麗になりました。
風呂に入ろうと思いましたがセシルは今、鎧を外す事ができない中、自分だけというのも考え物でしたので、諦めてセシルに任せました。
幸い拠点と定めた建造物には、何故かベッドと布団が用意してあり、快適です。
「色々あると思うけれど、たぶんここには誰も来ないから、このまま寝よう。」
「わかった。お休みデルク。」
セシルはそういうと、あっという間に寝息を立てて寝てしまいました。
色々あったから、疲れたんだろうね。
僕は色々思い、今後の事を考えようとしましたが、気が付くとセシルに起こされていました。
あれ?いつの間に寝ていたのでしょうか、セシルに起こされるまで全く気が付きませんでした。
「ご飯の用意ができている。」
起こされた挙句に、食事を用意してくれているんて。
セシルはまだ11歳だけど、あと10年、いやいや4年もすればいいお嫁さんになれるよ。
15歳になれば結婚できるから。
僕はセシルと向かい合わせで食事をしています。
食材は基本昨日と同じ。
お肉と野菜、そして果物。
しかしながらセシルって料理が上手です。
限られた調味料で、こんなに美味しい料理を用意できるのですから。
食事をしながら今後の事を話します。
「セシル、ここはたぶん75層と76層の間みたいだ。」
「ずいぶん下だ。これは脱出できるのか?」
どうだろう?ここに居れば飲み水には困らないし、76層で果物が手に入るから、食べ物は問題ないし。
ただ、何時までも此処に籠っている訳にはいかないので、77層だったかな?魔獣を仕留めて少しでもレベルを上げておかないと、自力での脱出は厳しそう。
ロープを伝って上に行けば、とも思いますが、途中空中を泳ぐ?でいいのかわからないけど、空飛ぶ魚がいるのでロープを用いて上に向かおうとすれば、ほぼ間違いなく空中を泳ぐ魚の餌食になります。
後は此処とは違う階層へロープを伝って降りて、魔法陣を踏んで脱出をするという方法。ですがこの階層のように魔法陣が使えない可能性もあり、どっちにしろ色々確認しないといけない、という問題を抱えているわけで。
僕が悩んでいる事柄をセシルにも伝えます。
「この大穴も善し悪しだな。空飛ぶ魚はなかなか危険と聞いている。上にロープで登るのは、今の私達では自殺行為。」
セシルが言うとおり、相当危険。
まあ今は、1頭でも多くの魔獣を仕留めて、食材の確保とレベルアップを目指さないと、いつまで経っても脱出できない訳です。
そして今する必要を感じるのは、魔獣をいかに仕留めるか、です。魔獣と言うより魔物?
僕はいまいち魔獣と魔物の区別が付きません。
一説によれば、テイムできるのが魔獣で、できないのが魔物とか。
別の説では魔石・つまり魔核があるのが魔物で、無いのが魔獣。ただこれは違うと思っています。
ダンジョンの魔獣・魔物は全て魔石をドロップするからです。
僕としてはテイムできるかどうかというのが違いだとする説に、一番信ぴょう性があると思ってます。
ただ、最終的に判断するのは我々人間なので、どうなのかな?
今はどうでもいい事なのですけれども。
そして今考えないといけないのは、どうやって牛さん魔獣を仕留めるか、です。
壁で魔獣を囲み、攻撃をしましょうか?
それとも昨日のように、腹の下へ土魔法で地面を盛り上がらせ、魔獣を持ち上げて身動きできなくしてしまいましょうか?
・・・・
・・・
・・
・
魔獣の動きが速いので、結局簡単なのは壁を予め展開しておき、魔獣が壁に突進してきたら、急いで土魔法で四方に壁を作り、魔獣を囲ってしまう、というもの。
囲ってしまえば各個撃破で簡単に仕留める事ができるのでは?
しかし実際に囲おうとするとなかなか上手くいかず、魔獣のお腹の下に土魔法で土を盛り上げて身動きを取れなくしておき、後は剣で仕留める、という事を繰り返し行っていきます。
この方法が上手く仕留められる事に気が付いたのですけど、何故?
食料の確保は死活問題ですから、最終的には仕留められるのだから良しとしましょう。
囲ってから、隙間へ剣を突き刺す方が簡単そうに思えるのですが、どうして上手く囲えない?
そして何故腹の下に土魔法が上手くいくの?そう言う習性?
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