第29話 3人でダンジョンへ

 そろそろダンジョンでの実戦を経験した方がいいとトゥーニスさんに言われ、先輩2人、つまりヴィーべさんとリニさんと共に行くように言われました。

 2人は何度もダンジョンへ足を運んでいるので、上層は安全だからと今すぐ向かう事になりました。


 装備も普通の恰好程度でいいらしく、鎧?そんなのいらないよ、と一蹴されました。


「え?今からダンジョン?嫌よ今日は冷え込んでいるし寒いから嫌なのよ?」

 リニさんは外に出るのが嫌らしいです。


 いえその、短いスカートをズボンにすればいいのでは?

 あれでは寒いでしょ?

 だけどここでヴィーべさんが余計な一言を。

「お前またそんな恰好で・・・・だが・・・・どうせ穿いてるんだろ?毛糸のパンツ!」


 そう言ってリニさんがスカートを押さえる間もなく、ヴィーべさんが豪快にリニさんのスカートをめくってしまい、


 大方の予想通り、リニさんは毛糸のパンツを穿いておりました。

 うん、暖かそう。

 何度見た光景なのでしょうか。もう見慣れたので見ちゃいけないと思いつつ、見てしまいました。だってその後の展開、目が離せないんですよ。


「ぎゃあ!またやりやがって!死ね!今すぐ死ね!百回死ね!」


 そのリニさん?ヴィーべさんを蹴るのはいいですが、スカートが捲れたままなので毛糸のパンツが丸見えですよ?


 気が付いたリニさんはササっとスカートを元に戻し、

「ふん!さ、デルク行きましょ?上層をちらっと覗くだけだから、大した装備はいらないわ?まあ剣だけ持っていけばいい感じかな?後は素材が採れる可能性があるから、カバンを持ってくといいかもよ?ヴィーベは私のスカートの中を覗くのでしょうけれど!」


 僕は背に背負うカバンを持っていたんだった!

 背負っていたので、そのまま行く事になりました。


 ダンジョンへ今日向かうって知っていれば、もう少し充実した装備を用意したんだけどな。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 目の前にはダンジョンがあります。

 大雑把に上層、中層、下層に分類されるらしく、下に行けば行くほど強い魔物がいるんだとか。


 現在70層付近まで踏破されているようで、噂では100層ぐらいあるんじゃないか?

 だけど誰がそんな所まで辿り着くんだよ?とも言われてしまいました。


 そんなダンジョンですけれど、上層は比較的安全で僕より小さな子供でもダンジョンに出入りできるようで、最初の層は魔物は出ないのだとか。


 安全だからと僕は2人に率いられ、ダンジョンの中に足を踏み入れます。


 このダンジョン、基本は5層の繰り返しで、5層ごとにボスがいるらしいです。

 階層主?

 もっと下へ行くには、その階層主を仕留める必要があるそうで・・・・最初の階層主はゴブリン?子供でも簡単にやっつけられるとか。


 このダンジョン、最初の5層はこんな感じになっているのだとか。


 1層 果物

 2層 肉

 3層 鉄鉱

 4層 魔物

 5層 ボス1体


 最初の1層は魔物が出ず、2層目に牛さんみたいな、仕留めると肉をドロップする魔獣?魔物?が一頭ずついるようです。

 一頭ずつというか、一度に一頭しか現れません。仕留めれば、そのうち別の個体が出現するようです。


 3層の鉱物は・・・・鉄?鉄を採掘できるようです。

 道具がないと無理そう。

 いや、魔法で何とかなるのでしょうか?

 土魔法があればどうかな?

 ただそうそうジョブチェンジできませんし、レベルの低い間はここぞ!という時まで温存しておかないといけませんから、様子見ですかね。


 4層では、時々ゴブリンと遭遇するようですが基本弱いらしく、子供でも倒す事が出来る様で、これは5層も同じ。

 ボスもゴブリン1匹らしいです。一度の出現するのが1匹だと、確かに難易度は低いですね。


 そんな状況らしいので、普通の服でもいいのだとか。

 ただ、一つ注意が必要で、ダンジョンの真ん中付近に大穴が開いているらしく、奈落の穴と呼ばれているそうでここに落ちればどこまで落ちるかわからず、未だかつて落ちたが最後誰も戻ってこないのだとか。


 そりゃあ高い所から落下すれば、普通は死ぬよね?

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