第5話
俺は宗教に入っている。入っていると言っても2世で、母親が入っていたからそのまま入れられた感じだ。
子供の頃は母親に連れられて教会に行きお祈りをしたし、教会内での活動もしていた。子供もけっこういたから楽しかった。
だから見えないものに対して違和感が無いというか、そのまま受け入れることが出来たのかもしれない。
宗教活動をしていたのも中学生くらいまでで、最近は親にこの日はお祭りがあるから行きなさいとお願いでもされないと顔を出さなくなった。
俺が入っている宗教は無理な勧誘も無いし、信者さんは皆優しくて良い人ばかりだ。教主の言葉も皆仲良くやろうみたいな感じで、それはその通りだなと思っている。
でも正直うちの宗教は本物なのかいなか、気になるところではいた。丁度そんなところに吉田さんが現れ、うちの宗教が本物なのか偽物なのか判断してもらえないだろうかと。
吉田さんは色々不思議な体験をしているし、なにせお化けや普通の人には見えないものが見える。
本当であればそのまま続けるし、もし偽物であればもう行かなくて済むし。
そんなお願いを吉田さんは
「なにそれ!?面白そう!行きたい!」
…と、あっけらかんと承諾してくれた。
「でもそういえば吉田さん旦那さんいるし、2人で休日に出かけるのってなんか…不倫してるみたいになっちゃわないか…な。」
「え、全然大丈夫。うちらまったく上手くいってないから。居ないみたいなもん。ちなみにその吉田さんっていうのそろそろ辞めない?あみでいいよ、みんなそう呼んでるし。」
と言われたけど。少々不安だ。次の休みの日曜日、俺たちは約束をした。この日は絶対忘れる事が出来ない1日となることを知らないこの時の俺は、同い年の友達とちょっとした遠出に行くことに待ち遠しささえ感じていた。
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