第3話 君がいる

「君がいる」


君がいる

紅葉に

夕日があたっている

赤が増すわけではない

美しさが増すだけだ


君がいる

つゆ草が

夜露にぬれている

青が増すわけではない

艶やかさが増すだけだ


君の景色がある

姿がある

笑顔がある

すぐ近くに君がいる

それでも僕は

子午線に阻まれて

君の心を読みきれない


君がいる

すぐそばに君がいる








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