君を想う秋
詩川貴彦
第1話 黄金風景
「黄金風景」
あなたと初めて会った日は
まぶしいほどの秋晴れで
いつもは暗いこの町も
光あふれる午後でした
あなたと初めて会ったのは
まぶしいほどの金色の
小さな路地が入り組んだ
名もない町の午後でした
初めて歩く秋の町
始めてそっと手をつなぎ
何かを探していきました
何かを探していきました
郵便局がありました
お寺の銀杏がありました
古びた町の影の中
黄金(きん)の景色がありました
黄金の景色がありました
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