第22話⁂母久美子の死!⁂
スホの目からは母に会えた喜びで知らず知らずのうちに涙が溢れ出ています。
そこに夢にまで見た幻の母久美子が近づいてきました。
「北朝鮮でも大人気の素晴らしいお芝居「愛の逃避行」を見させて頂いておりましたが、今日は素晴らしい歌『愛は永遠に』を披露して頂き感激致しました!」
「ありがとうございます。お会いできて光栄です」
「あああ~?どうかなさいましたか~?目から???こちらにいらして下さい!」
余りの涙に久美子は何か有ったのか心配になり、隣りの個室に来るよう促します。
そして個室に通されたスホは{やっと会えた母に全てを話そう。きっと母は戸惑い、この温和な表情を一気に強張らせ、「血迷った戯言!とんでもない出鱈目を言う出ない!」怒りに身を任せ凄い剣幕でまくし立てるに違いない!それでも何も話さなくて永遠の別れになるより、例え機嫌を損ねて暴れられようが全て話して、それでもダメだったら致し方無いやるだけやったのだから}と諦めも付きます。
{どんな結果になろうが全て話そう}そして勇気を振り絞り全てを話したのです。
「あの~?………不躾な話で……あの~?すみません。・・・怒らないで私の話を聞いてください………。今から25年以上も前の事になります。北朝鮮で別れた、もう直ぐ4歳になる僕は車に乗せられ連れ去らたあの時の健太です。……あの時の辛さは言葉に出来ないほどの辛さでした。親子で一緒に生活していた時は、健太!健太!といつも何処でも、そう呼んでいつもどんな時も一緒でしたね。まさかあんな悲しい別れになるとは思っても見ませんでした。………僕はハッキリあの時の辛い思い出を覚えています。もう絶対会う事は出来ないと思っていたのに?やっと会えてウウウ(´;ω;`)ウゥゥこんなに嬉しい(´;ω;`)ウッ…事はありません」
一方の母久美子の目からも、まるで洪水の如く涙が溢れ出ています。
「グウウウウ😭ウウウヮ~~~~~ン😭私も知っていました。会いたくて!会いたくて!岸田家に貰われて行った事は侍従から聞いていました。そしてあの有名な韓流スター、キム・スホが、私がお腹を痛めて産んだ健太だという事も知っていました。けれども、もし?殺された筈の健太が生きていると分ったら大変な事になる、ましてや連絡を取ったら真っ先に健太に危険が及ぶ。だから連絡したくても出来なかったの。冬季オリンピックの相互派遣で門戸が開かれて、そこで去年韓国と北朝鮮の悲恋物語が北朝鮮でも爆発的な人気を誇りKポップスタ-を是非にという事になったのです。それでドラマ「愛の逃避行」の挿入歌を歌っている主役のキム・スホを是非にと要請したのです。人気絶頂のスホのスケジュールが空かないので韓国側も難色を示していたのですが、何とか調整出来てやっと実現できたのです。そう!あの時は健太と呼んでいましたね。会えて本当に嬉しい、ああああ~!会いたかった夢じゃないのね!」
「そうなんです!僕が母とどうしても会いたかったので、どんな都合を付けても行きます。と事務所に行ったので実現できたのです。僕も夢のようです」
2人は抱き合って喜び合っています。
そして「今度又北朝鮮で弟の満正と3人で会いましょう」と約束して別れたのです。
{ああああ~!あんなに会いたかった母と会えたばかりか、又チョクチョク会いましょう。そしてまだ会った事も無い北朝鮮の最高指導者で弟満正との顔合わせまで約束してくれた優しい母}
母の久美子ともやっと会えてスホは夢見心地で韓国に帰ったのです。
それでも最大の大仕事が待っています。
{ジアンとまた寄りを戻す為には何としてもロアと別れなければ!}
そしてロアの携帯番号も削除して行先も伝えずに住んでいたマンションを出払ったのです。
{芸能界で確たる地位を築いた今、押しも押されぬトップスターに上り詰めた俺に、あんなおばあちゃんなんか災いこそあれ何の得にもならない。あああ~!やっと自由になれた!もうあの女の存在は只の災いでしか無い!愛する夢にまで見た母との再会も出来て、あの鬱陶しいロアともやっと別れる事が出来て、後はジアンに自分の誠意を分かって貰う事だけだ!}
スホもチョット冷たい所がありますね~!こんな性格が災いする事がやってくるのです。
そんな悠々自適なスホですが?最近いつも誰かに監視されているような?付け狙われているような?何か不気味な気配を感じているのです。
{一体誰が?まさかロアがスト-カ-となって付きまとっているのか?でもマネージャ―にロアとの連絡は一切取るなと口うるさく言ってある。事務所だって守秘義務厳守の口うるさいスタッフ達ばかり、易々スケジュールを教える筈がない!まさかジアンに頼まれた探偵が俺の行動を嗅ぎ回っているのか?でもジアンと音信不通になってからもう5ヶ月も経つのに今までは何も感じなかったのに、北朝鮮公演の後ぐらいからなんだよな~?そうだ!ロアのマンションを出た頃から感じるんだよな~?アッ北朝鮮から帰って来た時期とロアの家を出た時期が重なるから???だけどもし北朝鮮側が俺の動向を探っているとしたら、一体今更俺に何の理由が有って付きまとっていると言うのか?まあ~!でもまだはっきりした事は分からないから様子を見よう!}
そんなある日、撮影が天候不順で中止になったので、いつもと打って変わって、早々にマンションに帰ったのです。
ドアを開けて中に入ると誰かの影が一瞬見えたのです。
そしてベランダ伝いに一瞬で逃走したのです。
{確かにここは2階で横に倉庫があるから、そこに飛び降りれば大の男なら容易く逃げる事が出来る。でも何故家に侵入出来たのか?防犯性の高いオートロック式で侵入出来ない筈。部屋の中は荒らされている様子も無いし、金目なものにも一切手付かずの状態。犯人の狙いは何なのか?非常に気味が悪い}
スホは早速警察に通報したのです。
そんな折、やっと会えた愛する母が殺害されたとの連絡を北朝鮮の極々側近の者からの連絡で知る事となったのです。
「エエエエ————!やっと会えた夢にまで見た母が、会ってまだ幾ばくも経って居ないのに~?殺害されただと~?許せない!許せない!」
そしてどんな陰謀の渦にに巻き込まれるやもしれませんから?母の死はまだ内密にとの連絡なのです。
犯人は一体誰なのか???
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます