第5話⁂岸田隼人の出自?⁂
母親詩織とすみれ、百合姉妹が殺害された背景には恐ろしい陰謀が隠されているのです。
それは「岩田忠士」リ・ドハと日本人である幸子の事件に端を発した大事件となって行くのです。
ドハは幸子から吸い取れるだけ吸い取り利用価値がなくなった幸子を疎ましく思っています。
「結婚すると言って、私をこき使い、お金も散々吸い取り、本当に結婚の意思が有るの?ハッキリ言ってよ!」
余りの結婚願望の強さにリも辟易しています。
工作員としての任務の為に付き合っていただけの事。結婚する意志など最初からサラサラ無かったのです。
「私を騙したのね?今まで貸したお金と店の売り上げも返してよ!」
ドハは{この女を生かしておいても何の役にも立たない!邪魔なだけだ!}
拉致同然の形で北朝鮮の工作員によって無理矢理船に乗せられ、そして幸子を北朝鮮に連れ帰る工作船から生きたまま投げ捨てたのです。
あいにく子供達にはその現場を知られる事無く連れ帰る事が出来ました。
幸子と子供達の戸籍を手にして幸子と子供達に成り済ました工作員が日本にやって来て又スパイ活動に従事するのです。
その役目は勿論お金と日本各地に散らばったスパイ達の動向、秘密を探るために動員されたスパイ達なのです。
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2002年朝鮮大学校1年の岸田隼人は日本人の母親に育てられ、日本の学校教育を受けていたのですが、母親詩織、更には妹すみれと百合の殺害事件で事態は急変します。
隼人は父親の進めで朝鮮大学校に通う事となったのです。
「何故日本人の母親から生まれた俺がそんな大学に入らなければいけないんだ!」
徹底的に反発します。
それはそうです。まだこの時は自分の出自など知る由も無かったのです。
父親の言う言葉を鵜呑みにしています。
「お前は日本人と朝鮮人のハーフで母親と妹達は日本人に殺された。犯人は目星がついている」
父親の岸田雄介が朝鮮人だという事は薄々気付いていましたが、まさか日本人に殺されたとは……?
そこで今まで散々いじめにあった過去等を思い出して朝鮮大学校に入学したのです。
復讐の炎がメラメラ燃え上がり{許せない!}
復讐の権化となった隼人は怒り狂い、{今に見て居ろ!}
留学同のサークルで朝鮮の歴史を学び、そこでスカウトを受け、冷酷な北朝鮮工作員になっていくのです。
工作員は静かに*⋆✰直ぐ近くにじわじわと確実に⋆*。・我々の生活に忍び足で近づいているのです。
親切を装って確実に…………!
事件の背景をよく知る、ある在日朝鮮人はその理由をこう語るのです。
「原因は差別が作り出す日本社会への憎しみです。
職業差別、結婚差別、朝鮮民族の男性と結婚しようとした日本人女性は当時、親から勘当されたり、親戚づきあいを絶たれたりして、酷い目に遭った。子供は親や周囲から自然と、色んな話を聞いて育っている。
彼らが成長し大学生になって、留学同のサークルで朝鮮の歴史を学ぶと、自分の中の民族性に火が付き朝鮮民族のために人生を捧げたいと思うようになるのです。
差別を受けた者しか分からないが、疎外感を感じた者の反作用は激しいのです。北朝鮮の工作機関は、若者のそんな使命感を刺激して、利用しているのです。
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