命名
春嵐の夜、道端にナメクジのような生物が居た。
水溜まりで溺れ死にそうだ。思わず拾い上げる。
よく見ると猫に似た金の眼をしている。
「たま。お前の名は、たま」
懐に抱いて呟くと、生物は小さくナァと鳴き、モチモチした猫になった。
そういうわけで
うちの猫を猫にしたのはわたしである。
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