我ら人間、克せよ獣

 人間。

 「人」としての定理は得難く。

 また誰しも幼く愚かで度し難い。


 一度は手にした明哲も、

 年を経れば腐り行く。


 されど互いを比べ合い、

 尽きぬ争い繰り返す。


 侮蔑が何を生み出そう?

 否定が何を為し得よう?


 醜き我らの有り様は、

 獣というのもおこがましい。


 「人」に成れる日はまだ遠く。

 我ら獣に甘んじる。


 されど「人」を名乗るなら、

 その道行きに喝采を。


 苦難ばかりの道行きに、

 「人」を恐れぬその覚悟。


 喝采せずして、何としよう。

 

 汚泥の中を突き進み、

 その淀みを抜けた先。

 

 いつか「人」に成れたなら、

 少しは賢く成れるだろう。

 


 

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