言葉の力
言葉って、異常な事態の時にこそ真価を良くも悪くも発揮するのかもしれません。
詩とか、短歌とか、俳句とか、様々な言葉……本当に意地悪く言えば、”実用的“ではないと蔑ろにされてしまいがちな言葉たち。これらが心に響くときって、どんな時でしょう?幸せな時ですか?辛い時ですか?
個人的には、辛い時の方が多いです。
話は変わりますが、これらが力を持ち、担がれる──つまり社会的な価値を発揮するときは、怖い時なのではないかと私は思います。季語でも、美しい言い回しでもない、特定の言葉が入り始めたら、それは怖い時が来たよという合図なのだと。
歴史を振り返ってみると、戦争詩や戦争賛歌──様々な言葉たちが利用されてきました。童謡にすら、恐ろしいことにそれは表れていました。
戦場において、言葉というのは数少ない拠り所でした。はっきりと目には見えない形であっても、その戦争を賛美する言葉たちは色んな人たちを死に追いやってきたのです。人々が本来持っている、死への恐怖を忘れさせてきたのです。言葉は、異常な状況でこそ強大な力を発揮するのだといえるでしょう。
だから私は今の状況がとても怖いのです。どうなるのかわからない。このままだと悪い方向に行くのだけははっきりとわかる。錯綜する情報、ショッキングな映像に頭が割れそうです。こんな状況の中でこそ、自分の頭で情報を精査し、考え抜くことが必要なのです。それだけは私にもわかります。
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