第285話 割れた音

「そうだよね……許せないよね」

 彼女の言葉に心が締め付けられる。


 パキッ


「……本当にごめんなさい」

 瑠衣は悲しそうな顔を見せた。


(何で、そんなに悲しい顔をするんだ……瑠愛が起こした事件なのに、どうして瑠愛がそんなに辛そうな顔をするんだ?)


 パリンッ


 何かが割れた。


「そんな顔……するなよ」

「え?」

「何で……何で、お前がそんな辛そうな顔するんだ!、辛いのは俺だ!、巻き込まれた皆だ!、お前にそんな顔をしていい資格はない!」

「!!」


 何かが心から溢れ出している。


「お前がやったんだぞ……瑠斗さんの話を真に受けて……勝手に誤解して……他人を巻き込んで……それなのに、何でお前はそんな顔が出来るんだよ!」


 止まらない。

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