第115話 厄介

 昼休みが終わる数分前、斗真達は学年棟の分かれ道で立ち止まって話していた。


「瑠衣は瑠愛に彼氏の話聞いた事ないのか?」

「うーん……あんま瑠愛姉と恋愛話しないし…それに瑠愛姉、勉強第一、妹第一だから……彼氏なんて絶対に作らないと思う、いたら衝撃的すぎて、気絶するわ」

「へぇー」


(じゃあ、俺が瑠愛の今カレでぇーす!って言ったら気絶するのか?、するのか?、するのか気絶?)


 斗真は何とも恐ろしい想像をしていた。


「あのイケメンは知ってるか?」

「知らないよ、でも名前は瑠斗って言ったし、あの雰囲気的に瑠愛姉と同じ三年だろうね」

「三年か」


(ちょっと厄介だな)


 斗真は瑠斗に強い同情心と、恋敵としての恐怖を感じ始めた。

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