もげたあしたのいきるいみ

旧 箱

現在、私たちは猛吹雪の中、ヘミスに乗って進軍中。

かなり視界が悪い上に足元も悪く、地形捜査と機体制御で神経をすり減らして——

『西モッさーん、そろそろ攻撃開始地点っすー』

この人は相変わらず呑気だな。

『了解。発光信号を確認後、全機実弾攻撃開始だ。』

そろそろ。

「梶谷機確認。」

『岸機おーけーです』

『よし。信号弾を確認したら即発射だぞ。敵の動向には充分に気を付けろ。』

「了解。」

隊長と康太君が位置についたら即座に第一射を斉射する作戦。

『つっても、この吹雪の中で見えるもんなんですかね？』

『当たり前だ。信号弾は可視光の他に中性子線を発生させるんだ。よっぽどのことがない限り届くさ。』

『そうなんですねえー』

呑気なものである。今から戦争をしに行くというのに。

〈――！！――！！――！！〉

来たっ

「センサーに感！イエロー１２マーク０６アルファに信号弾を確認！」

『全機実弾発射！！』

トリガーを引く。

メインモニターがフラッシュアウトし、PS装甲越しに轟音と振動が伝わってくる。

反動制御のためオートで背部スラスターが作動する。

実弾の武装ステータスが〈EMPTY〉に変わり、すぐさまパージ。ポイ捨てである。

『全弾着弾！中型3匹消滅確認しました！』

外さなくて良かった。

『あと一匹いるはずだ！索敵チェック！厳に！』

『「了解っ！！」』

そうだ。

そもそも今回の降下は少し変だったのだ。

AGEは軌道上から降下してくるが、基本的に人口密集地帯への降下が多い。

我々が戦う時、市街地での戦闘ではどうしても被害のことを考えて行う為、やはり集中力が削がれることを知っているのだと思う。

無論人里離れたところへの降下もあるが、そういう場合は拠点を構築するように大型が少なくとも4体は同時に来る。

そう考えるとやはり今回は異常だ。

かなり辺鄙なところへこの規模で降下、しかも降下地点から50kmも離れた地点に中型を4機も動かすという、明らかに侵略が目的ではない動きである。

そもそもここに何かがあるのか、それとも――

『敵影補足！！インディゴ3、マーク10デルタ！上です！！』

『何っ！？』

ほぼ直上！？

P3の射角はセクターグリーンだけ！それにこの吹雪のなか格闘戦は無理...

『西本さん！！敵機離脱していきます！！尚も上昇！』

逃げた？

『合流するつもりかっ！？』

〈――！！――！！――！！〉

今の攻撃で小型が寄ってきた。

『今度は小型が集まってきました！』

『見ればわかるっ！間違いなく足止めだ！』

「西本さん！中型が集結してたポイントの確認指示を！」

ほぼ間違いなく爆発物やその類だろうが確認しないことにはわからない。

『接近する小型は4体か、岸と俺で掃討する。梶谷は中心部と思われる地点の捜索に当たれ！』

「了解！」

『えぇ』

『お前がちゃんと状況報告できるとは思えねえなぁ』

『ちぇっ』

考えたらわかるでしょうに。……いやそれが判らないから（ry

「では行きます！」

『状況報告は密にな』

「はいっ」

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何ヶ月ぶりの更新か最早覚えていないレベルの更新です。

初めましての方は初めましてもう続きが出ないかもしれないと思った方はお久しぶりです。

これから毎週これかもう一つのにゃーとなけば猫のどちらかを更新してまいります。

頑張ります。

サブタイトルにしておきながら箱まで辿り着けませんでした。

（仮でつけてたのをそのまま出してしまったなんて言えない。

次話で確実に出ますのでご安心ください。

ではまた来週。