第23記:分身

 眼が覚めた。枕辺の時計は「朝の6時」を示している。もう少し眠りたかったが、思い切って起きてしまう。やりたいことが沢山あるからである。台所に行き、湯沸かし器にミネラル水を注ぐ。タスケチェスを指しながら、熱いコーヒーを飲む。レベル10のもんぞうにどうしても勝てない。この有様では、今度の大会は悲惨な結果になりそうだ。全戦全敗の恐れが出てきた。俺の場合、指せば指すほど弱くなる。どういうことかね、これは。


 愛機を起動させて、ぴよぶっくを呼び出し、編集作業に没頭する。先ずダサクの更新に取り組む。人間対妖怪の血みどろバイオレンスから一転、穏やかな展開が続いている。誰が主人公なのかもわからない……という不安定な状態も続いている。

 我がダサクも、書き始めてから1年以上が経っているが、いまだに「主役が決まっていない」のだから驚きである。最後まで決まらないかも知れない。知れないが、第17章の主役がシオールであることは確かなようだ。彼を中心にして話が動いている。


 シオールが何者なのか、俺にもよくわからない。なんだかわからないことだらけだが、とりあえず、彼の行動を追いかけている。その内に正体が掴めるだろう。いや、掴まなくてはならぬ。一度シオールを主役に据えた化物活劇を書いたことがあるのだが、それは道程半ばで、ガラガラと音を立てて、瓦解してしまった。

 俺の中では「再登板」ということになるわけである。書いていて楽しいキャラクターではある。ある意味、俺の分身と云える。容貌も体型も性格も、まったく似ていないが、喋り方に関しては、俺にそっくりである。


 ダサク2頁を仕上げた後、休憩を挟んで、ダブンの更新に取り組む。いつも云うように、小説に比べると、随筆は楽である。今回は事前に文案を練っておいたので、筆の進みも悪くない。次元鍋は即興性を最重視しているが、たまには良いだろう。今日投稿した二篇は、俺にしては珍しく事前案に近い形で文章がまとまった。次の目標は「300」になるわけだが、年内の達成は困難と云うか、ほとんど不可能なので、来年に持ち越すことになりそうだ。さてと、腹も空いたことだし、そろそろ買物に出かけますか……。〔10月31日〕


♞普通のブログに、半ば無理矢理に草小説を投稿していた時期があった。魔少年シオールを主人公にした『邪神と巨神と光の剣』もそのひとつである。

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