第14話 Gは苦手だ

 苦手な虫がいる。

害虫一般、全て苦手だがトップはやはりあいつだ。

口には出せない相手。

そう「G」だ。

正直なところ家庭用空中処理殺虫剤というものを使いたい。

部屋において煙の出るあれだ。燻煙タイプというのかな?


 しかし、燻煙タイプを集合住宅ではあまり使いたくない。大丈夫だという話ではあるが二の足を踏んでしまう。

ということで今年も設置型毒餌殺虫剤を使った。

設置したのは前年同様5月に入ってからになってしまった。用意はしてあったのだが遅れてしまった。本来ならば3月ぐらいには新しいのを置くべきだったと思う。

謳い文句では1年保つということだったけど、私の家では駄目なようだ。

湿気が多いために1年の維持は無理なようだ。薬効成分が流れ出してしまっていた。

残念!


 結論からいうとまあ、よく効いたようだ。それまで「G」たちの活動音が消えた。姿を見なくなった。痕跡がなくなった。死体を発見した。今年の毒殺も成功したようだ。

いくら窓や扉を締めていても来年は来年で新たに侵入してくるのだろうけど・・・。

以前は捕獲型の駆除を行っていた。なぜか最近はあまり効果を発揮してくれない。そこで同餌型に移行した。人体の安全性を考えると大丈夫だと言われてもちょっと使いたくないが背に腹は代えられない。効果も結構出ているのでこれでいいかと思っている。


 「G」は森の住民らしい。熱帯雨林に住む昆虫だ。東南アジアの田舎で見た「G」たちは普通に野生の昆虫をしていた。日本住む養殖されたような姿とは異なる。バッタやセミやカブトムシが大丈夫なら接するのも平気だろうと思う姿だ。森の掃除屋として大事な役割を担っているということだ。

対して日本の「G」は豊富な餌をもらって養殖されたような姿には恐怖さえ感じる。夜のゴミ置き場や繁華街を我が物顔に歩く姿には抵抗を感じる。

飛んでくると恐怖だ。思わず叫んでしまう。夏の夜、街頭の近くで飛んでいるのがカブトムシだと思って近づいたときに「G]だったときには絶叫してしまった。友人とともに。すごい近所迷惑な話だよね。ごめんなさい。


夜のオデカケでも会いたくない相手No.1だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る