013

 人間に出会いたいと、書き続けることにした。


 誰に向かって書いているのかは分からない。地球上すべての人間が人間ではなく暗号を伝えるためのシステムとなってしまった以上、俺は一体誰に向かって書いているのだろう。


 人間がいることを信じて。


 もしかしたら世界が一つではないのかもしれない。メタな世界があるのかもしれない。


 そこになら人間がいるのかもしれない。


 ならば、そこにいると思われる人間に向かって。


 俺はここにいると発信し続ける。

 俺はここにいるんだ。

 生きて、いるんだ。

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