Session3-1 英雄候補生学校からの依頼

GM:ということでやっていきましょうかね。第3話です。よろしくおねがいします!

一同:よろしくお願いしまーす!



6月下旬。前回の依頼から10日ほど経った頃。

気温は徐々に上がり、本格的に夏の日差しが〈雀のお宿亭〉にも届いてくる。

天候は快晴。じりじりと地面が焼けつきはじめるも、風のおかげでそこまでの暑さは感じられないだろう。

時刻は午前9時ごろ。食堂の朝食タイム第一波は過ぎ去ったものの、いまだにそれなりの冒険者たちがたむろしている。

オープンキッチンに立つのは、おなじみ"炎の料理人"エミディオ。給仕のメイベル、そして店主クレナイ、従業員もほどほどに忙しく動いている。



オルフ:何時もよりちょっと早い9時だし朝食タイムかぁ。

シュシュ:裏の厨房で野菜をトントンと。ジャンくんを台にしてる。

イスデス:「うーん、今日は中々日差しが強いねぇ。こんな時はお冷が身に染みいるというものだよ。」

イスデス:「という訳でおかわりくーださい!」

オルフ:「忙しい時間帯にそれやるとマジで怒られるぞ」言いつつお冷置いてます。

イスデス:「そうは言いつつもちゃーんと持って来てくれるオルフくんが好きだぜ☆」

アルクトス:気まぐれに早く着てお茶しながら執筆してます。

シンカイ:書類バイト中。何か"紫水晶"の件に動きが無いかとか考えつつ、朝食のタイミングを伺っている。

GM:ホールには数名の騎士──外国からの使者だろう──が見えており、"紫水晶"、および"暗黒の波動"の事情を知った君たちは、その背景がぼんやり見えてくるだろう。


アルクトス:前回の作品、『駆け出し冒険者失敗談』の受け……(ころころ)イマイチ。うーん、やっぱりみんな成功談を見たいんすねぇ。

GM/メイベル:「オルフ、そいつあんまり甘やかすと調子乗るわよ」イスデスを見ながら。

オルフ:「いや一応客ではあるだろ……」

オルフ:どうだろ、ちゃんとなんか頼んでるんだろうか

イスデス:(ころころ)野菜ピクルスと川魚のフライ。珍しく、つまみ以外を食べてます。

GM/メイベル:「お冷で3時間以上粘るヤツを客として見ていいものかどうか……まったくもう。満席になったらどいてもらうからね」

GM/シンカイ:(ころころ)「メイベル様申し訳ありません。サンドイッチのセット二つ、スープでお願い致します」ちゃんと調理がラクなやつを頼むやつ。但し二つとも自分の分。「そ、そのう、わたくしも退くべきでしょうか?」

GM/メイベル:「かしこまりました~♡ いやいやいいのよ! "ちゃんとした"客は別!」

イスデス:「この端から少~しずつ食べてるフライを食べ終えたらどきますよっと」

オルフ:「冷める前に食えよ……取り合えず厨房に伝えてくるか。サンドイッチのセット2つと…アルクトス、お前はなんか追加あるか?」

アルクトス:「む……では、珈琲のお代わりを」

オルフ:「珈琲1つ、と」手元の奴に書き留めて厨房に貼りに行ったり何だり。

GM:バイトが板についてきましたね。

アルクトス:「ふぅ……休憩するか」煙草取り出して火を付け始める。

GM/エミディオ:「ふむ……」オルフやシュシュの様子を伺い、「何度かパーティを組んだこともあってか、大分彼らも力が抜けてきたようだな」バリスタで手際よくコーヒーを抽出しながら、つぶやく。

イスデス:「ああ……もうフライの残りが尻尾しかない……!なんてこった!」

オルフ:かっふぃ……(ころころ)……オルフくん、コーヒー飲めない。死ぬ。

一同:(笑)

シュシュ:あの、弱点多くない?酒とかコーヒーとか。

オルフ:幼児かってくらい刺激物に弱い。



GM/クレナイ:「……おや?」そうしているうちに、クレナイを呼ぶ声がホールから聞こえてくる。どうやら緊急の依頼のようだ。

シュシュ:「…クレナイ様……? (依頼かな……)」

GM/クレナイ:1、2分ほど経った後に、食堂にいる君たちに声がかかる。「これは……あのメンバーで良さそうでちね。オルフ組、出番でち!」

アルクトス:メンバーではないと思っているので、行かずに執筆を再開します。

シュシュ:「オ、オルフ様……いってらっしゃいませ……」

シンカイ:「あ、アル! 貴方やっぱりスジモノに!!!???」

GM/エミディオ:「……ちゃんと全員呼んだ方が良いのではないか?」あきれ顔。

オルフ:「組て。……まあ、ちょうど揃ってはいるが」見渡して。「多分こないだ農場行った時のメンバーの話だろ」

GM/クレナイ:「いやあ、まあ分かるかと思いまちて……」

イスデス:「……あ、拙も含まれてたりする? ヤッター!」

シンカイ:「あ、そういう。畏まりました、何でしょうか?」

GM/クレナイ:「こほん。オルフ、シュシュ、シンカイ、あとイスデスとアルクトスでち。……現状残っている冒険者だと、おまえ様たちがおそらく適任でち」


アルクトス:「……。私もだと?」とりあえず女将に呼ばれたら行きます。

シンカイ:「ではお伺い致しますがアルクトス様。進捗如何ですの?」

アルクトス:「進捗? 今月分はもう終わってこれは来月のだが?」すんっ。ペンネームで書いてるので、アルクトスで探しても見つからないってことにしておこう。

シンカイ:「まぁ、余裕たっぷりですのね。ではちょうどまたお手伝い願えませんこと?」ポジティブ。

アルクトス:「とりあえず、内容次第だ」

ジャンくん(シュシュ):『はいはい、ごしゅじんも含まれてるでしょうに』ずるずる。

シュシュ:「えっちょっと……!そこ引っ張るのはダメーっ」ずるずるずる。

オルフ:何処を引っ張られているのか?

シュシュ:そこは円盤特典(笑)。


GM/クレナイ:「報酬が1人あたま2000、行方不明者の捜索依頼でち。……まあ、"紫水晶"が関わっているかどうかは分かりまちぇんが、とりあえず話だけでも、でち」

イスデス:「行方不明者の捜索ですか。なるほど」

オルフ:「しかし、それでなぜ適任であると?」

GM/クレナイ:「……言ってはなんでちが、とくに重要でもない人物の行方がわからなくなった、という話でち。依頼主は、『グランゼール英雄候補生学校』……ま、"事件性的には"新人向けの依頼なのでち」

 


グランゼール英雄候補生学校は、〈雀のお宿亭〉のある新市街区から門をくぐった先、入門地区と呼ばれる場所にある、冒険者訓練学校です。運営しているのは、同じく入門地区にある冒険者ギルド〈灯火の守り手〉。駆け出し冒険者の生還率を上げるべく、さまざまな知識や技術を教えてくれる場所です。



オルフ:「……随分と大層な名前だな」

シンカイ:「ここはそういう御国ですから。国の花形にするための……ともなれば、御大層にもなりましょう。わたくし個人としては、始めから冒険者一本として学校に行かせるよりは、他の手に職をつけるほうが先とは思いますが……」おカタいやつ。

シュシュ:「……そういえば私、ここと貧民街以外は殆ど知らない……」

アルクトス:「ふむ……ちなみに、学園へは入れるのか?」

GM/クレナイ:「おそらく、少しは入れてくれるでちょう。そのあたりの説明は、学園の生徒がしてくれるでち」

イスデス:「2000G、つまり干し梅ときゅうりが100個買えるぐらいの値段か。中々太っ腹な値段じゃあないか。OKOK。万年金欠神官としてはぜひとも受けたい依頼ですねへっへっへ」

シュシュ:干し梅きゅうり算。

GM:全部干し梅きゅうりで計算するととてもお得に見える。

イスデス:……1000個の間違いだった。1個2Gだから……

オルフ:100個とか報酬9割ぼったくられてるじゃん(笑)。

イスデス:お冷飲んでるのそのせいでは?(笑)

シュシュ:そろそろお冷でも金取られそう。

イスデス:拙は悲しい……ぽろろん。

GM:一応、データ上生活費の徴収はありません。その分はバイトしたり、別の依頼をこなしたりしてやりくりしていることになっています。


シュシュ:「………(学校って……お勉強するところだよね?想像できないな……)」

シンカイ:準備をしながら、女将についていく前に「……傾注。厭な予感がしますわ。」はっきりと全員を制するようにまず主張する。

オルフ:「いやな予感?」

イスデス:「先の依頼に怪しいところでもあったかな」

シンカイ:「〈灯火の守り手〉が運営する学園のくせ〈雀のお宿亭〉への依頼、口止め料込、そしてお題目は行方不明者の捜索。トドメに密談室……わたくしが言うのもなんですが、官僚の子の捜索などでしたら…大変にセンシティブですわ」溜息。


オルフ:「……言っちゃなんだが、もし俺達に出来ない、不都合である依頼ならばそもそも話は回ってこない」

イスデス:「うん。流石に、関わるとろくなことにならないような案件を初心者に任せるかなぁ? と思うかな」

オルフ:「その程度には……あー……宿への信用は、ある」  

GM/クレナイ:信用してくれてまちた! きゃっきゃ。

シュシュ:「……そう、ですね……私はクレナイ様のことを……信じております……多分」勿論本人には聞こえない声で。

シンカイ:「そうなのよねぇ……。兵士の仕事を冒険者に回すような御国とはいえ、ねぇ。まぁ、前向きな見方が出来るだけマシなんでしょうけども」

アルクトス:「どうでもいいな。私は、普段は入れないだろう学園の取材ができればいい」皆店や女将への信頼っていってるのにこの男ときたら。

シンカイ:「ただ、断りづらき事は憶えておきましょう。色々な意味で……」

しっかりと剣を背負って、時間をとらせましたの礼。

イスデス:「ま、話を聞いてからでも……まだ遅くはないんじゃないかな。たぶん」

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