Session2-1 異国の兵士

GM:整いましたので、第2話、始めていきます! よろしくお願いします!


一同:よろしくお願いしまーす!




GM:季節は6月、そろそろ半ばというところ。

前回、初めての依頼をこなし、お宿亭の冒険者登録を済ませた一行ですが、それから1週間ほど後のお話となります。アルクトスは……本業で冒険者しているわけじゃないなら、たまーに立ち寄っているくらいなのかな?

アルクトス:ご飯は美味しかったし、安いから食事にはそこそこの頻度で来てるかな。

イスデス:やはり胃袋を掴んだものが勝つ。

オルフ:冒険者への待遇が鬼のように良い宿。依頼がない時は、バイトとかしてました。

シンカイ:実家のカネで泊まりながらマギテック協会に通いつつ、「この男を知っているか!?」してました。

GM:ふむ。今のところ、シンカイの尋ね人の収穫はありませんね。

イスデス:本買って読み漁ってたら金がなかったので、ようやく下に降りて来ました。



GM:あれから皆さんは大きな依頼などはなく、稼いだ1200Gを生活費に当てたり、あるいはお宿亭や近所の店でバイトをしていたり。

たまに、商人の護衛や薬草園の警備依頼など、かんたんな仕事をするにとどまっていたことだろう。現在時刻は、午前10時ごろ。

シュシュ:10時だと……多分厨房で手伝いしてるかな?

オルフ:朝のラッシュを捌き終えて、また暇になった頃合かしら。

GM:そうですね。朝食時のラッシュをいなし、ちょうど休憩時間。ホールや食堂内には、それでもそこそこの数の客、冒険者が見えることだろう。

シュシュ:「ふう……やっとひと段落かな……」汗を拭って。

GM:さて、さっそくだが皆には異常感知判定をしてもらおう。目標値は6。

一同:(ころころ)せいこーう。

ジャンくん(シュシュ):ホールにいる我が気付くのだ。

GM:では、君たちは食堂の隅に、きらびやかな鎧を装備し、豪奢な武器をもった兵士の姿があることに気づく。この国の衛士や騎士団のものではない……鎧の意匠からして、おそらくハーヴェス王国のものだろう。

オルフ:「……ん、ありゃあ……見覚えのある鎧だな」そちらを見て、遠巻きにばれないように僅かに顔をしかめる。

アルクトス:ちらりと横目で見て、魔器カタログに目線を戻します。

ジャンくん(シュシュ):『むっ…変わった客だな。是非ごしゅじんに接客させてみたいものだ』

GM:気にすればホールにもちらほらと、ラージャハやユーシズから来たであろう使者の姿も見える。彼らにはクレナイが直々に応対し、冒険者に依頼の斡旋を行っていることが分かるよ。

イスデス:「おや……(あの意匠はラージャハにユーシズ、それにハーヴェスか)」

シンカイ:「祖国の者……サミット、というワケではないでしょうが」

シュシュ:「わっ……変わったお客さん……近寄らないでおこう……」

GM/エミディオ:「ああ。この店はその……少し訳ありでね。こうして外国から直々に、冒険者の指名が来ることが多々あるのさ」副料理長の男性エミディオは、人のいないテーブルを拭きつつ、少し言葉を濁しながら言う。

オルフ:「訳アリ、ね……」訳アリなのは自分もなので深くは言及せず。

イスデス:拙は違うよ!

オルフ:投獄歴ある奴がなんか言ってる。

シンカイ:うぎゃーーー!! ムショ上がりですわーーー!!

アルクトス:前科もち2人……(笑)。

オルフ:捕まってないので前科はないです(笑)。


GM:主にハーヴェス、ラージャハ、ユーシズの3国だろうか。こうしたことは、冒険者の店では珍しい。自国の冒険者に頼めばよいのに……と思うだろう。

シュシュ:「クレナイ様凄いなぁ。あんな怖い人たちに応対してる……私とあんまり変わらないのに」手を頭の上に。

イスデス:「思っていたよりも繁盛しているようだねぇ」

オルフ:「まあ、指名依頼って話なら俺達には関係ない話か。クレナイが対応してるようだしな」

GM/エミディオ:「ああ。その時が来れば君たちにも指名が来るやもしれんが……まあ、まだ早いか」

シンカイ:「むむむ。官僚を継ぐ予定の者として興味はあるんですが、今は立ち入れませんか」

オルフ:「現状、名を上げた訳でも偉業を為したわけでもないからな」

イスデス:「関りになっても面倒なだけかもしれないぜ。あ、お冷一つ」

GM/メイベル:ゴン、と無言でイスデスの前にお冷が置かれる(笑)。

アルクトス:「すまない、お茶のお代わりを」

GM/メイベル:「はいはーい、お茶ですね。しばらくお待ちを~♪」営業スマイルだ。対応の違いが光る。

シュシュ:厨房に入ったところで既にお茶用意して待ってよう。

イスデス:おかしい……同じ客なのに……!

GM:ちゃんと料理注文しないからだぞ。

イスデス:食事くらい採りますよ。朝ごはんは(ころころ)……するめ齧ってます。

オルフ:こいつ、するめと水で朝から粘ってるのか……。

イスデス:流石にするめ以外も食ってるやろ……(ころころ)……干し梅ときゅうり、2G。

一同:(笑)

オルフ:こいつほんと自腹だと安い物しか食わないな?(笑)



シンカイ:「……」ハーヴェスの方々とかに、見覚えのある御仁はいますかね。貴族5、役員5を持っているのだけれど。

GM:そうだな。今のところ、見覚えのある顔はいない。ただ、おそらく王宮の騎士団の中でも、わりと身分の高い者たちであることが伺える。親が官僚であったシンカイならば、そのうち顔見知りが訪ねて来るかも知れない、と思うだろう。

シュシュ:ふーむ、なるほど。まかない食べてます。もぐもぐ。

シンカイ:(ころころ)ベーコンエッグとパン3種盛りの朝食セット。うーん、エレガントな朝食。父譲りですね。

GM:異国の兵士たちは、落ち着かない様子で……と言っても品位ある振る舞いでクレナイと話し、冒険者を連れて出ていく。それもそうだろう。この店の冒険者には特にナイトメアや蛮族が多く、しかも店主が幻獣。メイドも幻獣。

シュシュ:そして(物理的に)隠れコボリン。

GM/エミディオ:「異世界に迷い込んだと思われても仕方あるまいな……」

オルフ:「帰ってった、か」ちょっと軽く伸びをして。

シンカイ:神官はUMAだし。

イスデス:INUですよ。ヒヒン!

オルフ:「……ここだと目立たなくて助かるがな」

GM/エミディオ:「そうだな。"変わり者"が周りに多いからこそ、彼らにとって目立たず、心地よい環境であるのかもしれん」

オルフ:「…………」居心地がいいとか言いたくないので黙ります。


シュシュ:「ちょ……ちょっと……! あ、えっと……クレナイ様、お疲れ様です」

ジャンくんに引きずられてきてクレナイの前に。おずおずと水を差し出す。

GM/クレナイ:「おや、シュシュ。気づかいありがとうでち。ありがたくいただくでちよ」笑顔で水を受け取りつつ、休憩とばかりに君たちの側へちょこんと座る女将。

シュシュ:手で少し顔を覆いえへへと笑う。

オルフ:全員から近いとなると、エミディオの前のバーカウンターあたりかな。

GM/クレナイ:「ま、設立当初は苦労したものでち……自分で言うのもなんでちが、なにせ幻獣が店主。まっとうな冒険者の店としては見てくれまちぇんでちたからねぇ」

イスデス:「お疲れ様でございます。オカミさん、彼らはどのような要件で……と聞くのはマナー違反ですかな」

クレナイ:「そこはまだ、企業秘密でち」と、依頼書の束をめくり始める。

シンカイ:「御馳走様に御座います。……さて、掻き入れ時と御国の御用がお済とあらば、手頃な依頼が残るが相場とお見受け致しますが」

イスデス:バンバンバンバン(隣の席を叩く)。

オルフ:「何のアピールだそれ」

シンカイ:バンバンバンバン(真似して隣の席を叩く)。

イスデス:おらっ座れ! お前ら二人は拙の横に座るんだッ! の合図。

シュシュ:「は、はいっ……! 今すぐっ……!」ぴゅーっと厨房へ。全員分の水持ってきました。

GM:そうじゃない。

オルフ:「お前らな……」シュシュの分はありますか。

アルクトス:全員(本人を除く)。

ジャンくん:『よいしょっと』イスデスの隣に座る。

アルクトス:椅子壊れる。

GM:がしゃああん。

オルフ:でもまあ、2mのトカゲならリルドラケンよりは軽そうだし、冒険者酒場の椅子は耐えそう。

GM:では、SSランクの椅子だったのでジャンくんの攻撃に耐えました(笑)。


GM/クレナイ:「……っと、そうでちね。おまえ様たちに、ちょうどよい依頼がありまチュよ」

クレナイは食堂を見渡すと、壁際で優雅にお茶を飲んでいたアルクトスを見つけ、声をかける。「ええと……おや、前の"うずまき農場ホイールフィールド"のときの依頼のメンバーがそろっているでちか」

イスデス:「おや! いたのかアルクくん!」ぶんぶんと手を振る

アルクトス:「居ないが」

オルフ:「じゃあ何がどうやって返事してんだよ……」

イスデス:「そんなこと言わずにさぁ! 返答くれたってことはそういうことだろう?」

アルクトス:とりあえず、何か呼ばれたっぽいのでそっちいきます。

クレナイ:「……アルクトス、ちょっとした長期依頼でちが、受けてみまちぇんか? 性質上、人は多い方がよさそうでちからね」

オルフ:「長期依頼?」

アルクトス:「ふむ……内容次第だが、今少し入用なので前向きに検討させてもらおう」

シュシュ:「(前回の依頼のメンバーが揃っている……人は多い方がいい……もしかして……?)」

オルフ:「……詳しい話を聞くか。シュシュ、お前もそこ座れ」自分が今座ってる椅子を持ち運んでみんなのテーブルへ移動しよう。

シュシュ:「は、はいっ……」ついていく。

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