Session1-12 凱旋

GM:君たちは、アリスを護衛しそのままグランゼールへと帰還することになるだろう。"うずまき農場ホイールフィールド"の地図については、全員暗視を持っていないこともあり、さすがに夜間での地図作製は難しそうだしね……。


一同:……。


オルフ:そういやそんな要素ありましたね(忘却)。

シュシュ:おーうそうだった。

アルクトス:しゃーない。

イスデス:たぶんお宿に戻ったあたりで「……あっ」ってなる奴。

シンカイ:翌日改めて赴いて作成しにいきます(こすい)。

GM:あれ、結局農場の被害ではあるので、すぐに復旧されちゃいそうですね……。

とはいえ、夜ルートになった時点で、その代わりに追加前金入りの依頼がもらえてますし!

オルフ:PCは覚えてたかもしれない……(ころころ)忘れてました。

シンカイ:(ころころ)ちっ。(忘れてた)

イスデス:(ころころ)覚えてなかった。

シュシュ:(ころころ)忘れてました……。

オルフ:誰も覚えてない(笑)。

イスデス:皆! 忘れていたのである!(笑)

アルクトス:(ころころ)覚えてはいた。

GM:おおっ。

シュシュ:さすアル。

オルフ:これがハイマンの底知れぬ力。

イスデス:唯一の良心だ。

アルクトス:必須じゃないし、ええやろ……となった模様。



GM:グランゼールに戻り、衛士に報告すれば、ダンシングソーン討伐依頼の報酬、300Gが手渡される。

時刻は21時を回ったところ。お宿亭に戻れば。22時を過ぎるだろう。

アルクトス:「こっちの件が急遽発生したことと、時間的な事もあってスケッチは無しだな」

オルフ:「……そういやそんな話もあったな。まあ、夜中に松明片手にやるほどの事でもないだろう」

GM/一般衛士:「しかし、カーバイドの娘さんと一緒とはね……お転婆もいいが、あまり父上を困らせないようにしてくださいよ」衛士は君たちの後ろに隠れていたアリスに向けて、やれやれと言った様子で言う。

「あまりあの事故のことを気になさらないでください。もう、2年も経ちますから」

イスデス:「(事故、二年前?)」耳をピクン。

GM/アリス・カーバイド:「じゃ、じゃあみんなありがとう! お礼といっちゃなんだけど、もしマギテック協会に用があったりしたら、取り次いであげるからねっ!」あせあせ。

シンカイ:「もし! その二年前の事件とやら、お伺いしても? 今が難しければ後でも構いませぬ」

GM/アリス・カーバイド:では、「うう、まあ気が向いたらねっ!」と、逃げるようにマギテック協会のほうへと去っていく。その様子は焦りというよりは、恥ずかしがっているように見えただろう。

イスデス:「ええ、また」

オルフ:「今度は気を付けろよ!」

アルクトス:「(調べればネタになるか……?)」

イスデス:「依頼ついでに、それなりの有名人と顔をつなげたのは幸運だねぇ。なかなかいいコネだし、機会があれば存分に利用させてもらおう。」

オルフ:「好きにしろ。……それより、早く休みたいところだな」



GM:そうして、今回の君たちの依頼は終了した。

冒険道具街を通り、〈雀のお宿亭〉のある新市街区へ向かえば、店主クレナイは君たちを祝福してくれるだろう。

オルフ:「戻ったぞ」がちゃ。

GM/クレナイ:「おかえりなさいでち! その様子では、うまくいったようでちね」

イスデス:「ただいま戻りましたー! やー、中々疲れましてよ」その辺の座席に座り込む。

シュシュ:宿についてようやく安心できたのか、ほおっと息をつく。

シンカイ:「強行したが故に地図はダメでしたが、何とか1日でこれこの通り」

GM/クレナイ:「チュン。衛士隊からも、ダンシングソーン討伐の緊急性が増したことについては聞いているでち。

ま、夜に無理にすることでもありまちぇん。連続した戦闘で疲れもあるはず、そこは大丈夫でち」

ジャンくん(シュシュ):『植物と言えど危険性は十分だったな。仮にごしゅじんが1人で出くわしたら……』

アルクトス:「ああ、9割方達成した」

オルフ:「何なら最後護衛までしてきたので11割で良いな」達成後で機嫌がいいので軽口を叩いている。

アルクトス:何言ってんだこいつって目でちらりと見ます。

オルフ:気にしないでおこう(笑)。

GM/クレナイ:「護衛……でちか」気になる言葉が出たのか、女将は君たちのテーブルに水のグラスを置きながら首をかしげる。

経緯を説明すれば、「ふむ。いいことをしたのでちね」とうなずくだろう。


GM/クレナイ:「知ってのとおり、この冒険者の店は"大迷宮"探索のためのものではありまちぇん。食糧問題、貧民問題……おもに、困っている人を助けるための場所でち」

アルクトス:「(そうだったのか……)」今日初来店。

GM/クレナイ:「まあ、それはそれとして、迷宮に挑むことはとくに禁止はしまちぇんが。……"紫水晶"のこともありまチュからね。あれが初めて発見されたというのが、グランゼールの大迷宮内部だというのでち」

イスデス:「"紫水晶"。今日はその言葉をよく聞く日ですね」

シュシュ:貰った水をこくこくと飲みながら聞いている。

オルフ:「まあ、まだ俺達が関わるような問題じゃないだろうけどな」水を呷り。

GM/クレナイ:「……謎の多いアイテムでち。あちきも色々と調べてはいるのでちが……どこから来たのか、どうやって力を……」言いかけて、と首を振る。

「……そう、でちね。まだまだ、おまえ様たちは新人でち。まだ知らなくてもよいことでちょう。……ともあれ、初依頼ごくろうさまでちた。きょうは特別に、なんでも1品サービスするでちよ」

イスデス:「わぁい! さっすがオカミさん!」

シュシュ:「えっとじゃあ…さっきの美味しいお水をもう1杯」そう、水好きなのである!

GM/クレナイ:「……み、水でちか……じゃ、じゃあ……どうぞでち」こぽこぽ、注いでくれる。

シュシュ:耳を揺らしながら上機嫌に水を流し込む。

イスデス:……(ころころ)ディナーコース出た。

GM:お前ディナーコースとかお前。

オルフ:イスデスが一品奢りって言われてワイン付きのディナーコース頼むの、解釈一致です。

GM:一致ですね。

イスデス:厚顔無恥すぎる。「やぁ、悪いですなぁ。ははは」


アルクトス:「食事も良いが、まだ部屋は開いているだろうか? とりあえず今日はここに泊まりたい」

GM/クレナイ:「おっと、そうでちた。」アルクを見て言う。「部屋については、この店の冒険者として働く気があるのであれば、無料で1室貸し出すことができるでち。むろん。素泊まりもできるでちが……」

アルクトス:「いや、今回頼まれたので臨時で入ったが。本業もあるしな」

GM/クレナイ:「ふむ……了解しまちた。では、一般客用の1人部屋を手配しておくでち」

クレナイはそう言って、ぱたぱたとホールの奥へ引っ込んでいく。



しばらくして、冒険者たちが頼んだ料理が運ばれてくる。

オルフはドライフルーツのゼリーを、シンカイはタコのホースラディッシュ漬けを。

シュシュはシンカイからサーモンのコンフィを奢られ、イスデスにはみんなで分けるようにと、頼んだ通りのディナーコースがふるまわれた。

アルクトスは自前で30Gのディナーコースを頼み、それに合うワインを無料注文し、

夜中の食堂はさながら、パーティーのような雰囲気となっていた。



シュシュ:ジャンくんに水よこせとスカートを引っ張られて、やだーだめー! ってやってます。

オルフ:「ジャン、騒ぐな。水ならまだあるから……シュシュも。水ばっか飲んでるんじゃない」イスデスのコース料理を勝手に取り分けて押し付けよう。

シンカイ:「……そういえばオルフ。 わたくしは高々と言いましたが、貴方の冒険の目的を深くは伺っていませんでした」

オルフ:「目的ね。別にそう特別な事は目指してねぇよ。力と金と地位だ。……それをもう、誰にも脅かされないように。確固たるものとして手に入れる。それが俺の目的だ」

シンカイ:「……いなくなられたのはそういう理由でしたか。では、失われるもののために、とは同じですわね。今後ともよろしくお願い致しますわ。……アルクトス様もまたどうか」さりげなく引っ張り込むコミュ力イノシシ娘。

イスデス:「えっ、アルクくん一緒に来ないの? もうこの一党に所属するものかと」

アルクトス:「臨時だとさっき言ったと思ったが?」

イスデス:「えぇ~そんなこと言わないでくれよ~。寂しいじゃないかぁ」

アルクトス:「私は寂しくない」

イスデス:「君が寂しくなくとも拙は寂しい。なので一緒に冒険にいこうぜぃ。青春は待っちゃぁくれないんだぜ☆」ハイマンに言うのもアレ過ぎるけど。

アルクトス:「その言葉には同意できるが、だからこそ自分のやりたいことをやるものだ」

イスデス・テピ=ジュウエフ:「ぬぅ、正論。まぁ気が向いたらでいいから。また助けてくれると嬉しいかな」おとなしく座る。

シンカイ:「……差し出がましい事を言いました。御赦しを」ぺこり。

シュシュ:「……アルクトス様、今日は何度も助けていただきありがとうございました」それだけ言ってぴゅーっとジャンくんの近くへ戻る。



アルクトス:「(誰にも脅かされないように。確固たる地位を手に入れる、か……さて、面白そうではあるが)」




食事は続き、幾人か脱落者が出た後、青年オルフェウスはハープを奏で始める。


~世に冒険は尽きぬとも、架空の英雄譚は生まれ続ける。話をしよう、世界から冒険が尽きる事はない~




 第1話 『雀のお宿の初依頼』 了


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