心の折り紙

心を

ひろげすぎると

なんだか薄っぺらくて

すぐに破れそうだったから


心を折りたたんでみる

四つ折りに

八つ折りに

小さく小さく

きみに

きみだけに


そしたらだんだんかたくなって

少しくらい針で突ついても

びくともしなくなったから


今度は心の折り紙で

紙飛行機を作ってみた


きみに届けと

思い切り飛ばしてみたけど


残念

すぐにストンと落ちてしまった


何度やっても

白い紙飛行機は

真っ直ぐきみに

飛んでいってはくれない


この青空はきっと

きみが居る場所まで

繋がっているはずなのに


ため息をついてぼくは

紙飛行機をもとに伸ばすと

今度は折り鶴を作った


ぼくの気持ちが届こうが届かまいが

きみが元気で幸せで

笑顔でいてくれたらいいなって

そう願いながら


出来上がった鶴を

青空の見える窓際に飾ると

折り鶴から

折り鶴の形をした心が

空高く飛んでいった気がした


きみに届くといいな


やっぱりそう思った


気の抜けた白い折り鶴が

窓際にぽつんと残っていた


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