立冬の夕暮れに

公園の楓が紅く染まり


夕焼けの空も紅く染まって


秋が終われば冬になり


夕陽が沈めば夜が訪れる


君の頬が紅く染まっているのは


どうして


そんな弱気な僕の手を


君はそっと包んで


寒い冬があるから春が愛しい


暗い夜があるから朝陽が眩しい


それまで


ちょっと我慢だから


さみしくないように


心を温めるために


紅く染まってるんだよ


そう言って優しく微笑んだ


蒼い帳の降りてきた空に星がひとつ輝いている


あの星はいつも輝いているけど


暗くならなければ見ることができない


僕は君と身体を寄せ合って


君の温もりを感じながら


君と二人なら


寒い冬もそんなに悪くないねって


小さくつぶやいた


もしかしたら僕の頬も紅く染まっていたかもしれないけど


あかね色に染まった夕陽が


きっと隠してくれる



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