詩集 化粧箱

TiLA

たった一歩の宇宙旅行

ガラス越しに眺めてても

星の唄は

聞こえない


窓を開けて

バルコニーに出てみる


夜空を見上げると

遮ぎるものが何もないから

星の光が届いてた


何万光年も離れたあの星と

僕との間には

何も遮ぎるものがないんだね

たった今


だから光が届くんだね


そんなに遠くても

そんなに離れていても


こんなに宇宙は広いのに

こんなに世界は壁だらけなのに


窓を開けて

バルコニーに出るだけで


君と僕に

遮ぎるものは何もないなんて


孤独だね

君も僕も


泣いてるの


瞬く光に聞いてみる


窓を開けて

バルコニーに出るだけで


たった一歩外に出るだけで

そこは宇宙

広い広い宇宙


さあ、

宇宙旅行に出かけよう


一歩外に出るだけで

君と僕とを遮ぎるものは何もないから


ガラス越しに眺めてても

星の唄は

聞こえない


君の唄が聞きたいから

僕の声を届けたいから


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