第14話
クリスティーナをマクレーンの家へと送り出した後、マリオンは悩み始めていた。
自分から提案し、クリスティーナとオスカーを引き合わせることにしたものの、やはりこんな事は二人に頼むべきではなかったのかもしれないと。
逡巡した末に、やはり自分が間違っていたから、こんなことはしなくて良いと彼女に伝えようと決めたマリオンは、すぐにマクレーンの家までクリスティーナを迎えに行くことにした。
だが、到着してみると、彼女はもう帰ったという。
入れ違いになってしまったと後悔するマリオンだったが、
オスカーに少し話をしないかと声を掛けられて、応接室のソファに腰を下ろした。
マリオンは恐る恐るオスカーに訊いた。
「今日頼んだことだが・・・」
「彼女とは何もなかった。だから、安心しろ。大方、自分で頼んだくせに、彼女のことが心配になってここまで迎えに来たんだろう?」
オスカーは少し寂しげに笑った。
◇
二人が話しこんでいるうちに大分時間が経ち、マリオンが帰宅する頃には辺りは随分と暗くなってしまっていた。
マリオンがクラークの家に帰ると、屋敷の中はちょっとした騒ぎになっていた。
未だクリスティーナが帰ってきていないのだという。
誰かに拐かされでもしたのかもしれない・・・。
自分がろくでもないことを頼んだからこんなことになったのだ・・・。
彼女を永遠に失ってしまうのではないか・・・。
マリオンは急に不安になった。
彼はクリスティーナを捜すために、数人を引き連れて、着いたばかりの屋敷をすぐに後にしたのだった。
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