赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!
ほむらさん
第1話 始まり
俺の名前は
親父が無類の戦国武将好きで、小烏丸ってのは有名な刀からとった名前らしい。
平安時代からある刀なのに、令和まで現存している稀有な名刀なんだってさ。
だが現実は凄い名前のようには行かず、ただのしがない土木作業員だ。
趣味は小説を書くこと、そしてもう一つが抜刀術だ。
最初は自分が刀みたいな名前なので刀に興味を持った。
そして居合の道場に通い出し、抜刀術の修行までをもするようになった。
絶対に誰にも言えないが、刀を自作したりもしている。
バレたら間違いなく親父もろとも銃刀法違反で逮捕だろな。
なんせ裏山の小屋に鍛冶道具揃えたのは歴史オタクの親父だから。
小説の方は、WEB小説を読むのが好きで、自分もいつか書きたいと思ってたのを実行した形だ。
流行りの異世界転生モノを書いているんだが、知識チートってのをやろうとすると、下手なことを書くわけにもいかないので、まず書く前に作者が色々と調べる必要がある。
そんなことを毎日やっていたので雑学はかなり頭に刻み込まれた。もしどこかで遭難とかしても、変な知識を詰め込んだお陰で生き残れるかもしれんな。それこそ突然異世界に行くようなことがあっても備えは万全ってヤツだ。
それがまさか本当に自分の身に降りかかることになろうとは・・・・・・。
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今日もいつものように土木作業を終え、くたくたの体で家に向かって歩いていた。
早出残業なんて当たり前のようにある現場だ。残業が長引いたせいで、もう辺りは真っ暗になっていた。
「クッソー、もう20時過ぎてるじゃねえか!明日も早出だから5時起きだろ?家に帰ってメシ食って風呂入ったらもう、すぐにでも寝ないと体持たねえぞ」
もっと勉強しておきゃ良かったなあ・・・。テキトーに生きて来たせいで、こんな力仕事なんかせにゃならん。
それにしても今夜はやけに静かだな。すでに真っ暗だし怖いくらいだ。
なぜか体が震えて来て勝手に速足になる。そして不意に落下した。
「うわッ!?」
クソッ!マンホールにでも落ちたのか!?
どんどん下に落ちてゆく。
オ、オイ!どこまで落ちるんだよ!?これ下手したら、いや下手しなくても死ぬんじゃねえのか?
いつまで経っても地面に着地出来ない。
というかこんだけ落ちたらもう、着地した瞬間グチャッと逝くだろ・・・。
・・・・・
もう何分落ち続けているのかもわからない。
視界は真っ暗で何も見えずに、ただひたすら落下している。
もうこれマンホールとかそういうレベルじゃないぞ・・・。
あまりにも落下し続けているせいで、地面に激突したら即死とか考えるのもどーでもよくなってきた。
つーか眠い。キツイ仕事で体もくたくたなんだよ。
もう寝るぞ!こんちくしょーが!
落下しながら寝るのって俺が人類初なんじゃないか?
そんなことを考えてるうちにいつの間にか眠っていた。
これが本当の寝落ちってヤツだな。
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目が覚めた。
まず見えたのは青空だ。
え?なんで俺は外で寝てるんだ??
一体どこで寝てたのかと体を起こしてみる。
「ぐあっ!な、なんだ!?体全体が痛ぇ・・・」
自分の体を見てみるが怪我らしい怪我は無かった。
すなわち地面に直接寝てたから体がバキバキってことか。
周りを見渡してみる。
「は??ココはどこだよ・・・」
道端で寝てたのは間違いない。が、こんな場所なんて全く記憶にない。
つーかそこの廃墟、火事にでもあったのか??
マジで意味が分からないぞ!とにかく昨日のことを思い出してみる。
確か現場の仕事が終わって家に帰って・・・、ん?家に帰ったっけ?
そうだ!家に帰る途中、いきなり穴に落ちたんだ!
んで落ちて・・・、落ちてからどうなった?
「・・・・・・」
そういや落ちながらそのまま眠ったような気がする。まさにこれが寝落ちってな。
じゃあ何か?今いる場所は落ちた先だとでもいうのか?
とにかく、一体ココがどこなのかを誰かに聞きたい。
―――その時、俺のすぐ横を男が通り過ぎて行った。
話し掛けようと思ったが、ボロボロの服を着て歩いてる男を見て躊躇した。
あんなボロボロの服を着て、いやその前に死にそうなほど痩せていたぞ・・・。
男を眺めていると、その向かい側から鎧を着た男が三人歩いて来た。
よ、鎧!?いやいやいや!鎧もだが、モヒカンが二人にスキンヘッドだと!?
ボロの男が三人の男とすれ違う時に、それは起こった。
「邪魔だコラ!」
「ぎゃああああ!!」
な!?
ボロの男がモヒカンに剣でバッサリ斬られて倒れた。
地面に血溜まりが出来ていく。
オイオイ、冗談じゃねえぞ!何なんだよココは!!!
「剣が汚れちまったじゃねえか、ゴミ野郎が!」
モヒカンが血溜まりの中に倒れている男に蹴りを入れる。
「オイコラ!そこのテメー!何見てんだ!!」
や、やばい!アイツらこっちにも因縁付けて来やがった・・・。
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