第60話 佐々波良子のユニバーサル・ジェンダー党への応募 :2023年11月

(佐々波良子が、ユニバーサル・ジェンダー党の立候補者に登録する)


2023年11月。東京。佐々波家。

アマゾネス・ウーマンズ・パートナー社からメールが来ていた。

「拝啓

佐々波良子様

アマゾネス・ウーマンズ・パートナー社の立候補予定者に登録いただき、ありがとうございます。

当社では、登録された立候補予定者の中から、当社の基準で、立候補者にふさわしいと判断された方に、このメールをお送りしています。

この度、ユニバーサル・ジェンダー党から、立候補者の推薦依頼が参りました。

ユニバーサル・ジェンダー党の結党の趣旨、規約、立候補者に関する事項などは、下記のWEBでご確認をください。

(URL;省略)

もしも、ユニバーサル・ジェンダー党の立候補者になるお気持ちがありましたら、以下の推薦フォームをご確認の上、「立候補者推薦を受諾する」のボタンを押して下さい。

ここには、ご登録頂いた個人情報が記載されています。当社から、ユニバーサル・ジェンダー党に提出される個人情報はこれが全てです。ご確認下さい。

受諾いただいた方には、後日、ユニバーサル・ジェンダー党から連絡があります。

もしも、3日以内に、連絡がない場合には、当社にお問い合わせください。

なお、ユニバーサル・ジェンダー党から連絡を受けられてからは、この案件については、当社は、一切、関知しません」

良子は、勉強のつもりで、立候補者メンバーになっただけで、実際に、立候補することは、考えたことがなかった。

「このメールは、見たところ、自動発信メールのようだ。学習プログラムのスコアが基準以上の立候補者メンバーに機械的に送っているのだろう。

このペースでいけば、ユニバーサル・ジェンダー党でも、同じような、学習と選抜のプログラムがあるのだろう。

ユニバーサル・ジェンダー党のことは関心があって、調べていた。政策は、大賛成である。立候補者に関する事項をチェックしたが、格段、お金がかかるとか、途中で、立候補を取りやめる障害はなかった。辞めたくなれば、いつでも辞められるというのは魅力だった。つまり、カリキュラムについていけなくなったり、家事との両立が難しくなったら、そこで、辞めればいい訳だ。今までのカリキュラムで、チャレンジしたことは、充実した時間だった。だから、もう少し、先まで、行ってみたいと思った。また、家事は、忙しいが、ユニバーサル・ジェンダー党が、そのことを配慮していないはずがない。他の政党とは全く違って、ジェンダー・ギャップの解消を目指しているのだから、家事や育児があっても、政治参加出来る工夫をしているはずだ」

良子は、「行けるところまで行って見よう」と思った。

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