カノコイ～プロジェクトローレンシア・イエローブックリポートＶＯＬ４９～戦略創造軍特記事項

戦闘純文学の原理研究史

宇宙空間で使用することになったのは、戦闘の基本である「空高弾道弾」の使用法として、宇宙線被曝を考慮したものであり、その性質上、周囲に対する戦闘が中心となる必要があったことも戦闘純文学者が重要視しつつ、敵が見つかった際の対応をとることで解決したと考えられる。

また、与圧結界のリスクとして戦闘の最終局面(戦闘純文学者自身による決着（とどめ）)で起こる、至近距離における会敵がしばしば挙げられる。

これは戦闘純文学の理解不足がまねく誤解に過ぎない。

空間を局所的に歪ませるほどの力場は強力な自己決定権に基づくものであり、個人の制空圏内に不意打ちでワープアウトされたり、

クルーを対象に宇宙空間に連れ出された敵と対峙する、という光景(戦闘）を描くことは一般的にはありえないとの研究結果も出ている。

● 人類進化論的な戦闘理論の確立

戦闘純文学者と同じく、現代戦闘を取り巻く戦闘史を研究する立場である。戦闘純文学者は、1993年にフランスのアデル・シャルドン「攻撃と防衛」である。経済技術史の著作として世界的ベストセラーとなり、これによって世界的に知られることとなる。

また、戦闘を「戦う者」とは区別して、「防御または避難」する者という独立した用語も使われることにもなった。特に「避難」という言葉の比重が大きくなって、その意味がはっきりと現れるようになった。

そのため、攻撃する側、避難する側の戦力はどうなるのかという問題については、歴史研究とは言いがたく、現代戦闘の、と呼ぶべきであり、戦闘純文学者、戦闘文学者、避難防御戦闘など混沌とした互いの研究をはよく知らない学者のあいだで、比較研究されることとなった。

●戦闘行為を因数分解しようとする学派と一体論の対立

それに対して、「人類進化論的勝利」では、「戦闘の原理を考える場合に、戦闘力を維持・向上させる要素、あるいは戦闘が必要とする能力を発展させられるもの、または戦闘の概念が、敵を倒すことで発揮され得るものとしたときには、戦闘力を行使する能力と行動の進化は、敵を倒すことでこそ発揮されるべきである」という主張が強まっている。

戦闘が社会的影響を及ぼすというのは、基本的なことだが、その基本的な原理を理解しないで、「戦闘力を行使する能力」に限定されること、すなわち戦闘能力の進化を無視し自己主張をすることを強いられること、すなわち、「自己を超えられない」という主張は、この思想が社会支配を超えられないことを理解していないとの批判があった。

●勝者の発言力と処遇改善こそが戦闘力を進化させる

しかし、「戦闘理論の発展に貢献した者は、その戦闘理論を持ち出し、自らを正当化することのできるものである。」というのが、「戦闘理論の発展に貢献した者は、その戦闘理論を理解し、自らを正当化することのできるものである」という主張の根拠となる。

「勝利研究の貢献者は、その戦闘理論を理解し、自己正当化できそうな事実を選び、その行動として自己主張する権利がある」、と「人類進化論的勝利」の作者ディオールは断言している。

彼女の意見については 確かにそういう主張も理解できるが、自己限界論は、そういう自身の伸びしろを屈服させる行為でもあり、逃げを正当化する行為でもあると言うことが言えなくもない。

●自己否定こそが最大の攻撃力である

「自己を超えられない」ということを、他者におしつけているだけでなく、逆に自己を超える行為を肯定している表現だとするのはどうだろうか。

そのような言葉もあるにはあるけど、それが具体的なのかどうかは不明なままで、「それは自己を超える行為ではない。」と言うことに対して、こういった主張も持ち出しているわけだから、結局のところ、「その行為は自己の限界を超えたものである」ということになるだろう。

もちろん、これはいくら書いてみても不十分なもので、その行為を批判しているというより、相手に言って聞かせたいような言葉であると言うことは、そういった行為を肯定していると考えられる、ということになる。

早い話が自己否定が過ぎるあまり、その主張を周知させようとして、いつしか他人を個人攻撃する側に回る。すなわち無意識のうちに誰でも説教者になる。

これはシフォンの罠と呼ばれる陥穽であり、発見者の気づきによるものである。オンラインコミュニティではしばしば口論が絶えない。彼女はオンラインで激しいディベートをしている際にこのトラップに気づき戦闘純文学的研究を始めた。

のちに彼女は「人類進化論的勝利」出会い。アデルと研究を共にする。このシフォンの罠は戦闘純文学的なパワーを起動する基礎原理となった。

自己主張が激しく信念を曲げない女性はヒステリックで厄介者扱いされてきたが優秀な戦闘純文学者になりうる資質が発見されたことにより、地位が大幅に向上した。

とうとうとまくし立てるローレンシアの気迫に教授は圧倒された。

「なるほど。スカートを穿いた魔女がコルベット艦を宇宙に浮かせるわけだ」