第11章 新町通の違和感【1】
それから2日後。俺は大急ぎで自転車を飛ばしていた。
仕事を終えて帰る支度を整えていたところ、スマホに着信が来た。急いで取ると、中央病院の
とは言え、今時分からだと面会時刻終了まで2時間半しかない。それで俺はASAPで自転車を漕いでいるのだ。
……さくら……
俺の脳裏にはこの数日の夢と現実が浮かんでは消えていた。
しかし、想うことはただひとつ。
……最悪の白昼夢を現実にはさせない!……
夕暮れ時の薄闇の中を突っ走る俺の前に、黒々とした空間が見えてきた。
高空線の高架橋だ。
数日前は、高架橋の下を出入りする中で、幾度か望まぬ白昼夢に飛び込んでしまった。
……もう、あんな白昼夢には惑わされない! 待ってろよ、さくら……
意を決して俺は高架下の暗闇に飛び込んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます