偽りの約束

「生きるのが怖い」

彼は言った。

「じゃあ約束しよう」

俺は彼にそう言った。

「俺はずっと君の味方でいる。君は生きる」

「味方……ほんとうに?」

「もちろん」

俺が差し出した手に、幼い彼は嬉しそうに自分の手を重ねた。

……ごめん。

ずっとなんて、俺にはできないのにな。



#言葉の添え木 「嘘」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る