140字小説&詩

詠月

不思議な夢

「最近夢を見るの」

唐突に彼女はそう切り出した。

「へーどんな夢?」

「えっと」

怖い、と彼女は呟く。

「怖い?」

「うん」

曰く、何でも完璧にできてしまう夢らしい。

「それのどこが怖いの?」

「···だって、なんかね」

“私じゃないみたいなんだもん”

想像してみる。私にはよくわからなかった。

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