第27話 あわい

この世とあの世の境目を「あわい」というらしい。


死が近づくと、魂は「あわい」の中へと飛び込む。


それから「あわい」の先へと旅立つ。


重い肉体を脱ぎ捨てて。



冷たくなった君の躯を段ボールの箱に納めて、花を手向ける。


火葬をし、骨となった君を小さな壺に納めた。


部屋の中に置かれた骨壺。


ときおり、いないはずの君の足音が聞こえる。


そんな日が数日続いて、今は君の気配が消えた。


無事に虹の橋を渡ることができたかい?


いつか、私が旅立つその日までさようなら。


そして、ありがとう。




 






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