第13話  あなたのいる世界

 悲しみを抱いて

 明日を諦めて

 生きることをやめた

 あなたの影を


 ずっと


 ずっと


 ずっと


 追いかけている。


 生きとし生けるもの全てが

 いつかは消えてしまう運命だと

 わかっていても

 零れ落ちる涙は

 止まらなかった。


 あれから二年。


 加速する時の流れに

 押しやられて

 あなたがいなくなった事実を

 一瞬忘れそうになる。


 今でも元気に暮らしていると

 錯覚しては、我に返る。


 ねぇ、そこから空は見えますか?

 ねぇ、風は吹いていますか?

 ねぇ、香りを感じていますか?


 祈りは届いていますか?

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