第14話「F4地区の工場街」

今日は晴れましたね、良い天気です


赤いとんぼが、

私の肩に止まりました


おぼろげながら暗がりを見せる空は、

夕空に染まっていくのですね


第3セクターF4地区の広場は、

休憩時間の私たちが、くつろげる場所です


工場の煙突から活発なる黒い煙が、

ゴウゴウと吹き出しています

それが、赤く丸い太陽をかすめ取るようで、

隠してしまう


私のため息は、本当にため息なのでしょうか?


足下にころがる石ころを手に持つと、

温度を感じないのです

体内に組み込まれたセンサーは、

判別区別の反応が出来ないのでしょうか?


人間たちは今頃、

園内の温室でくつろいでいるのでしょう

それが、彼らの労働ですから


さあ、休憩時間も終わりました


私たちはアームを上げて合図します

背中のバッテリーは充電完了になりました

それとともに、隊列を組んで工場内に、

戻るのです


私たちはロボットですから、

人間たちの役に立つことが、

我々の仕事だと、言われましたから、

私たちは、働くのです

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