第2話「風」

いくら泣いても僕の声を

かき消し、かき消し、かき消して

罵倒し、繰り返し罵倒する


「邪魔だ、消えろそれで良し」


と僕の存在抹殺を喜び

後はなかったことにするのかな。


沈む陽に、夕陽に感動する馬鹿が

もうすぐかすんでいくのにね

気づいているのか分からずに


希望があるよと優しい声に、甘い言葉に耳を貸し、

喜んで消えていく


風が手を貸し、影も残さず

後は何処にもいなかった

誰かいたっけ?

ははははは


そんな世界だ

そんな世界に風は味方する


僕は嫌いだ

そんな世界は大嫌いだ

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