⑬「サチュレーション」
入り江の口は開いている
鳥籠の鍵はない
檻は隙間ばかりで抜け出せる
けれども私もあなたも何もしない
今日も餌の時間を待つばかり
足りないので奪い合う
しかし、嫌われるとさらに飢えるから
できるだけ良い子でいる
焦燥と惨めさから妬み、卑屈なのに
少し驕っている
それが怠惰と知っている
きっと海や空や地平の広がる草原へ行けるのに
今日もその可能性に蓋をする
いつまで続くの?
その人生。
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