第55話 乙女の秘密(姉と弟。くだらない会話。下ネタ気味注意)
「なあ~姉ちゃん。女子校ってどんな感じ? どんな会話してんの?」
「どうした、藪から棒に」
「いや、友だち連中にさ、姉ちゃんは女子校通ってるって言ったら『乙女の園って何かこう、秘密の花園って感じでいいじゃん』って盛り上がっちゃってさ。絶対、そんないいもんじゃないって言ったんだけど」
「ぶっ飛ばすぞ」
「こわ。すぐ暴力に訴えるこわ! ……で、実際どうなん? どんな話してんの?」
「えー? そうだなぁ……」
姉は、友人たちとの本日の会話を思い浮かべた。
…………
「聞け! お前ら! 今日は何と! 親父殿の部屋で発掘したエッチッチな雑誌を持って来た!」
「「「おおおー!!」」」
「さっすが、やっるぅ」
「棚の下の隙間は狙い目。野洲氏の言う通りでござったよ」
「へへへ……うちの兄貴の隠し方は、意外とみんな考えるんだね」
「よっしゃ見よ。何処で見る?」
「あ、今日うちの部室空いてるよ」
「よし、じゃ、行くか!」
「久方ぶりのエロ本鑑賞じゃ~~~」
「待ってろエロ本~~~~」
…………。
「……愛情の果てにあるものとは何か、ちょっと議論してた」
「何それ、思ったより深いじゃん……」
「高校生ともなるとね。先達の人生の秘密を暴きたくなるもんよ」
「よくわからんけど、ちょっと見直したかも」
「ハッハッハッ、お前もそのうち、そういう話をするようになる」
「マジか……」
世の中には知らなくていいこともある。
ちなみに、この弟の隠し場所もまた、棚の下(ちょっとエッチなお姉さんが表紙のお色気漫画で特に隠すほどのものではなかったが)だったことを姉はとうの昔に知っていた。
END.
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