宇宙艦隊は並ばない

 最近の宇宙モノのSF作品では割と艦隊決戦の様子が丁寧に描かれるようになってきた印象があります。大昔の作品だと、主人公の宇宙船が多数の敵を向こうに回して戦うようなのが多くて、艦隊同士がまともにぶつかる様子を描いた作品というと銀河英雄伝説とかぐらいが最初じゃないでしょうか?

 それ以前も艦隊同士がぶつかるシーンが無いわけではありませんでしたが、ただビームを撃ち合っているだけで隊形とか戦術とかを描いたのはあまりなかったように思います。


 では銀河英雄伝説以降描かれるようになってきた艦隊決戦の描写というのは、実際のところどの程度なものなのでしょうか?


 銀河英雄伝説で描かれていた艦隊決戦はおおむね史実の戦列歩兵戦術せんれつほへいせんじゅつを宇宙船に置き換えたものでした。それ以降の他の作品でも大きく陣形を構築して互いに一斉射撃を浴びせ合うというものが多い印象があります。

 銀河英雄伝説以降の他の作品で描かれている艦隊決戦で、戦列歩兵戦術っぽいのに次いで多いのが史実の海戦を宇宙船に置き換えたものでしょうか?戦隊せんたいと呼ばれる少数の艦から成る部隊が単縦陣たんじゅうじん(艦船が縦に一列に並んで航行する隊形)を組んで、主に側方に存在する敵に対して一斉射撃を浴びせながら運動する基本戦術をベースとしています。


 それらはどちらも既存の戦術を下敷きにしているので描きやすい、想像しやすい、納得しやすいというのはあるのでしょうが、おそらく宇宙での戦闘には全く適合しないでしょう。


 まず、戦列歩兵戦術ですが…宇宙空間では成立しません。戦列歩兵戦術というのは火力を最大化するために緊密に横隊おうたいを組むことにきもがあります。そして、横隊っていうのは単純な前進や後退以外の運動が基本的に出来ません。方向転換は不可能ではありませんが非常に難しく手間がかかります。

 マーチング・バンドが隊列を保ったまま様々に方向転換などの隊形運動を繰り返すのは、戦列歩兵戦術華やかなりし頃の示威パフォーマンスの名残ですが、当時はああした運動を自在にできるということは、それだけで軍隊の精強さ、練度の高さの指標でもあったのです。数十人規模でさえそれだけ難度が高いということなのですから、それを数百数千という単位で、それも戦場で行うのは非常に難しいということになります。それを軍艦でやろうとなると、まあ現実的とは言い難いでしょう。


 史実でも軍艦で横隊を組んだ戦術が採用されていた時期が実はありました。(軍艦の横隊は横列陣おうれつじんという)。

 軍艦で体当たりして敵艦の船体に破孔を開けて撃沈する…ガレー船時代以降廃れてしまっていた衝角戦術しょうかくせんじゅつが蒸気機関の普及によって復活した近代~日清戦争までのごく短い間、自軍の衝角戦術を成功させ敵の衝角戦術から身を護るためには横列陣を組むのが最善だとされていた時期があったのです。

 日清戦争当時の清国海軍は英海軍軍人の軍事指導の下、前述したような軍艦の横列陣を採用していました。しかし、やはり海上の軍艦が横隊を組んで行動するのはさすがに無理があり、優れた強力な軍艦を多数保有していたにもかかわらず、単縦陣で自由自在に行動する日本海軍に翻弄され、隊形を崩されて各個撃破されて敗北しています。


 正面に対する攻撃力を最大化する横隊ですが、側面や背面に対しては攻撃力を発揮できません。横隊を構成するのがたとえ全周に対して火力を発揮できる軍艦で構成していてもそれは同じです。横にいる敵を攻撃しようと思ったら、敵側にいる味方が必ず邪魔になるからです。

 ですから横隊が横に敵に回り込まれてしまったら、陣形まるごと方向転換をしなければなりません。ですが、横隊が方向転換できる速度は陣形の一番外側にいる味方の加速力に依存します。横隊の外側…それも敵が居ない側にいる味方の最大速度以上の速度で方向転換することは出来ません。

 軍艦の場合は戦闘中はほぼ全速で突っ走っていますから、軍艦で構成した横隊が方向転換するためには外側の軍艦が加速しようにもほとんどできません。なので、内側にいる味方が減速するしかなくなります。

 横隊が方向転換しようとする際の内側とは敵がいる方です。


 それはすなわち、敵に最も近い位置にいる軍艦が敵の目の前でわざわざ減速・停止することを意味します。当然ながら敵の集中攻撃を食らうことになってしまいます。

 実際、史実の日清戦争での黄海海戦でも、清国海軍北洋艦隊は横隊の一番端っこにいた艦が集中砲撃を食らって真っ先に脱落しました。


 横隊というのは側面を守ってくれる機動戦力が別途存在するか、あるいは敵味方とも機動力がほとんどなく互いに足を止めて殴り合う場合にのみ、有効になる戦術です。前者の場合はその機動戦力が勝敗のカギを握り、後者の場合は確実に「損害に耐えた方が勝つ」という消耗戦に陥ります。


 そして、そうした横隊が持つ特性以上に問題になるのが相対距離の問題です。横隊同士が戦う場合、特にそれが火力をぶつけ合う射撃戦である場合、交戦距離を一定に保つ必要があります。銀河英雄伝説の艦隊決戦でも、何故か両軍の艦隊がほぼ一定の距離を保ったまま撃ち合っていましたね。ですが、宇宙空間での戦闘でそれは考えにくいでしょう。


 両陣営の相対距離が一定に保たれるということは、構成している各艦が実質的に動きを止めているということです。一方が前進しているとすれば、もう一方は同じ速度で後退していることになります。少なくとも、互いに向き合ったまま同じ方向へ同じ速度でぶっ飛びながら撃ち合っている事になる。


 これがどれだけ無駄な事か分かりますか?


 何千何万という数の軍艦が数時間~数十時間…下手したら数日かけて陣形を組んで、敵を見つけてから陣形の向きを整え、それでゆっくりと彼我の距離を縮めて行って撃ち合う…そういうプロセスを踏まなきゃまず成立しないんです。そんなことをするくらいなら敵が陣形を整える前に小規模な機動戦力を投入して各個撃破を狙う方が現実的でしょう。


 特にどこかの恒星や惑星などの大型の天体の近くで戦うのであれば、その重力の影響も考えなければなりません。下手に陣形を維持して火力に頼るよりも、敵艦隊の前方に回り込んで、敵艦隊の速度がその天体の重力脱出速度以下に落ちるように仕向け、敵艦隊を天体の重力に捕まえさせるなどした方が優位に立てるでしょう。

 仮に敵の宇宙船が重力に対抗する機能を持っていて大気圏に降りて空中でホバリングとか平気で出来る性能があったとしても、重力に捕まればそれ相応のエネルギーを消費することになりますし、どこか任意の方向へ加速しようにも重力は足かせになりますから機動力は確実に奪えます。


 横隊という陣形は機動力を発揮できる兵科で採用するにはデメリットが多すぎますし、まして宇宙空間で使うのは非現実的です。銀河英雄伝説で描かれた戦術の中では、物語序盤のアスターテ会戦が唯一まともな艦隊決戦だったのではないでしょうか?



 では、単縦陣を組むのはどうでしょうか?


 宇宙戦艦ヤマトの序盤の冥王星海戦(あれを「戦」ってどうなんだろう?)や、機動戦士ガンダムのOVA作品「MS IGLOO」で描かれたルウム会戦なんかは宇宙船が見事な単縦陣を組んで砲撃戦を展開していますね。


 ですが、ああいう単縦陣は宇宙船ではあり得ません。何故なら、ああいう作品で描かれている宇宙船はロケット推進を採用しているからです。


 ロケットは燃料を燃焼し、発生した燃焼ガスを高速で噴射させることで、その反動を推進力に利用します。燃焼ガスが重ければ重いほど、噴射速度が速ければ速いほど反動は大きくなり、得られる推力も大きくなります。

 ですが、大きな推力を得るためにはそれだけ大量の燃料を消費することになります。スペースの限られた宇宙船に搭載できる燃料は限られますから、少しでも燃料消費量は抑えたい。ロケットで燃費を抑えつつ得られる推力を高めようとすれば、必然的に燃料の噴射速度をどれだけ高められるかが、ロケットエンジン開発の肝となります。

 ですが、現在実用化されている最も効率が良いとされるロケットは液体水素を液体酸素を使って燃焼ガスを発生させていますが、このような「燃焼」を利用したロケットは燃料消費量が凄まじいのが実情です。実際、宇宙ロケットのあの大きな図体の大半を占めるのが燃料タンクですが、その膨大な燃料は数分で燃え尽きてしまいます。


 そこで、SF作品で登場するのが核ロケットエンジンです。

 燃焼よりよっぽど高いエネルギーを誇る核融合や核分裂を利用してロケット推進する機関で、ガンダム作中では核パルスロケットだとか核融合エンジンだとかが頻繁に登場します。宇宙戦艦ヤマト2199でも「プラズマ漏れに注意しろ」とかいうようなセリフが出て来ますね。


 つまり、SF作品の宇宙船の推進ロケットが噴射している炎は、実はプラズマなんです。ビーム兵器と実質的に同じものを後ろに向かって連続して放出しているのですよ。しかも、そのプラズマは反動で巨大な船体を加速させるほどの運動エネルギーを持っているのです。敵を攻撃するためのビーム砲なんかより、よっぽど強力な代物ではありませんか。だって、ビーム砲を一斉射撃したからって船が反動で急減速したり針路がズレちゃったりする描写は、あんまりないでしょ?


 そんな強力なロケット噴射をする宇宙船の真後ろにいた僚艦(味方の船)はどうなるでしょうか?

 敵艦を一撃でほふるようなビーム砲よりもずっと強力なプラズマの放出を至近距離でモロに浴びることになってしまいます。敵とぶつかる前に間違いなく撃沈してしまうことでしょう。

 機動戦士ガンダムの最初の作品では宇宙戦艦ホワイトベースがメインエンジンを吹かし、その排気エネルギーで敵のモビルスーツ・ザクを撃破するシーンがありましたが、あれと同じ要領で同士討ちが発生してしまうわけです。


 仮にあれがプラズマ噴射ではなく、僚艦が至近距離で浴びてもダメージを受けないとしましょう。ですが、反動で軍艦を動かしてしまうほどのガスの奔流ですよ?そんなものを正面から浴びたら、船体がノーダメージだとしても思いっきり抵抗になって減速させられてしまいませんか?

 せっかく距離を一定に保って隊列を維持しようとしても、前方を進む船から噴射されるガスのせいで思いっきりしまうんです。後ろをついていく船は前方を進む船の何倍も燃料を使って何倍も頑張らないとついていくことすらできないはずです。わざわざ滝の中を上流に向かって泳ぐようなもので、これ以上無駄な航行の仕方はありません。


 果たしてそんな陣形を現実に採用するでしょうか?


 少なくとも、ロケット推進を主機関として採用している限り宇宙船がまっすぐ縦に並ぶということはあり得ません。もしも並ぶとしたら雁行陣がんこうじんのように斜めに並ぶことになるでしょうね。

 ただ、それでも数隻だけの宇宙船が列を作る場合の話で、数十隻数百隻ともなるとそうはいかなくなるでしょう。


 現実には航空機の様な編隊を組むのではないでしょうか?

 第二次世界大戦当時の爆撃機が組んだボックスフォーメーション(コンバットボックスともいう)のような隊形がもっとも現実的だと思います。遠くから見ればいにしえ魚鱗の陣ぎょりんのじん鋒矢の陣ほうしのじんを立体的にしたものに見えるかもしれません。


 戦い方も空中戦ドッグファイトのようになるのではないでしょうか?少なくとも銀河英雄伝説の様に互いに向き合って彼我の距離と相対速度を保ちながらという戦い方はあり得ません(作品そのものをディスるわけではありません。あり得ないと言っているのはあくまでも艦隊決戦の描写です。)。


 機動戦士ガンダムORIGINで描かれたルウム会戦のような、お互いの艦隊が交叉するような戦い方もおそらくあり得ないでしょう。立体的に組んだ隊形の艦隊がぶつかり合う戦い方は形態としてはリアルっぽく見えなくもありませんが、宇宙船の速度があまりにも遅すぎます。あれらの宇宙船は最低でも第一宇宙速度だいいちうちゅうそくど以上の高速でぶっ飛んでるはずなのです。

 第一宇宙速度とは最寄りの天体の重力とバランスを保って速度のことです。それ以下の速度では最寄りの天体の重力に捕まって、その天体に向かって落下していくことになりますから、最低でも第一宇宙速度以上の速度を出していなければ宇宙船は航行できません(重力を無視できる反重力発生装置とか慣性制御とかを実用化していれば別ですが)。地球の場合の第一宇宙速度は時速28,400km…毎秒約7.9㎞になります。

 そして仮に第二宇宙速度だいにうちゅうそくど…つまり地球の重力圏から脱出するような速度を出していたとすれば、それは時速40,300km…秒速だと約11.2㎞にも達します。


 あの作品で地球連邦軍…特にティアンム艦隊は月の裏側へ向けて航行していましたから間違いなく第二宇宙速度以上は出していた筈です。そしてドズル艦隊は月方面から月軌道より内側にあるコロニーを目指していたのですから、もしあの作品のように宇宙艦隊同士が反航はんこうして会敵かいてきするとしたら、相対速度は下手したら秒速20㎞近く…最低でも秒速数㎞にはなるはずです。

 敵影を見た…と思ったら次の瞬間にははるか後方というすれ違い方をするか、互いに避けられずに正面衝突をしてしまうかのどちらかでしょう。あの作中の世界では視界もレーダーもさほど利かないはずですから、そもそもあんな近距離での反航砲戦はんこうほうせん(向かい合って進む軍艦同士がすれ違いながら砲撃する戦い)は成立しないはずなのです。


 この辺、宇宙空間のスピード感や距離感を正しく描けている作品は中々見ませんね。もっとも、このスピードでの艦隊戦を描こうと思ったら戦っている艦隊同士の交戦距離が物凄いことになって絵的にイメージしづらくなるという事情が大きいと思います。


 さて、高速で飛行中の宇宙船が旋回すると、外側に向かって遠心力がかかります。この遠心力を旋回Gせんかいジーなどと呼んだりしますね。あまりにも高速で飛行している宇宙船があまりにも急激に旋回すると、とてつもなく大きな旋回Gがかかります。宇宙船の中の人は自分の身体を含めあらゆる物が、旋回Gの影響で重くなってしまって大変な思いをします。下手すると身体の中を循環している血液が旋回Gに負けて足の方へ下がってしまい、脳に血流が回らなくなって失神したりします。

 戦闘機のパイロットなんかは耐Gたいジースーツという特殊な服を着て、強い旋回Gがかかるのに合わせて身体を締め付け、血液が下がってくるのを無理矢理抑制して脳に血流が回るように対策しますが、それでも耐えられるのは9Gくらい(地上重力の9倍の遠心力)が限界だと言われています。耐Gスーツが無ければおおよそ3Gぐらいが限界だと言われています。限界といっても、戦闘機が旋回するわずかな時間だけの話であって、高い旋回Gが数分間とか長時間継続するのであれば、この限界と言われる数値はさらに低下します。たとえば、有人宇宙ロケットの場合、打ち上げの時の加速力は7Gぐらいになるように抑えられています。宇宙に行くまでの間、ロケットの加速力に宇宙パイロットが失神せずに耐えられるのはそれくらいが限界だとされているからです。


 さて、宇宙船の場合は戦闘機とちがって乗員は全員が耐Gスーツを着ているわけでもなければ、全員が自分専用の座席にシートベルト締めて座っていられるわけでもありません。普通に二本足で床に立って作業をしている人も多いことでしょう。

 そういう人たちが、船が急旋回を始めたことで手に持ってる工具や備品類がいきなり3倍の重さになったりしたら耐えられるでしょうか?

 当然無理です。ですから、どれだけ頑張っても旋回Gは1~2以下ぐらいに抑えなければならないでしょう(2Gでも十分きついと思いますが)。


 仮に宇宙船が第二宇宙速度(時速40,300㎞)でぶっ飛んでいて、針路を変更するため旋回するとします。そして宇宙船の中の人たちの安全を確保するために、旋回Gが1Gになるように旋回しはじめたとします。そうすると、人工重力とか慣性制御とかいった技術を使わなくても、宇宙船の中の人たちは地球の地上と同じ重力を感じるわけですが、ではこの時宇宙船の旋回半径はどれくらいの大きさになるでしょうか?


 ざっと計算したところ、半径12,778.8㎞という結果が出ました。第二宇宙速度で飛行する宇宙船が半径12,778.8㎞の円を描くように旋回すると、遠心力が地球の地上で感じられる重力と同じ大きさになるという事です。なお、一周旋回するのにかかる時間は約1時間59分かかります。

 これで旋回Gが2Gになるようにすると、旋回半径は6,589.4kmにまで縮まり、一周するのにかかる時間は約1時間2分となります。


 つまり宇宙船でドッグファイトを演じようとすると、半径数千㎞~数万㎞の円を描くように旋回しながら戦うことになるわけです。

 この途方もないスケールは遠心力の影響を無効化できる慣性制御システム(いわゆる「人工重力」)を実用化できない限り、どうしようもありません。

 まあ、もしかしたら一方向へ慣性で第二宇宙速度でぶっ飛び続けながら艦隊の向きだけ変えて打ち合うと言うのもあり得なくはありませんが、何らかの天体を「地形」として利用しながらドッグファイトを演じるのであれば、やはり艦隊の向きだけでなく進行方向そのものを変える必要が出てくるはずです。


 当然ながら、撃ち合いながらこういう運動をするということになりますが、これだけ遠距離での撃ち合いですから、使われる兵器はもっぱら光学兵器ばかりでミサイルとか砲弾などの実体弾などはまず使い物にならないでしょうね。

 正直言って宇宙での戦闘を描いたSF作品でミサイルが登場する意味がよくわかりません。まあ、近接兵器としてならアリでしょうけど、艦隊同士の砲撃戦でミサイルというのは正直言って意味が無いし実用的ではないと思います。そもそもスペース・デブリ対策が出来ている宇宙船相手に遠距離ミサイルが通用するとは思えないんですよね。よほど近距離に接近すれば使えるかもしれませんが、そんなミサイルが有効になるような距離に近づく前に、光学兵器で決着がついているでしょう。

 

 しかも、戦闘機の空中戦のようなドッグファイトと言いましたが、戦闘機の空中戦のように敵の後ろにつけば有利になるというものでもないんですよね。


 上述したように宇宙船はロケット噴射で推進しています。しかもロケットエンジンから噴射しているのはプラズマ・ガスです。

 プラズマというのはレーザーはもちろん、電波や光といった、あらゆるビーム兵器を無効化してしまう完全な防壁として機能するのです。つまり真後ろからビームを浴びせても、ロケットエンジンの噴射したプラズマ・ガスで無効化されてしまうわけです。それでいて、敵は後ろに向かって射撃できないわけでもないので、敵の真後ろについたら一方的に叩かれることになりかねません。

 それにロケットエンジンが噴出したプラズマ・ガスがまだ破壊力を維持している距離に接近してしまったら、今度はそれによってダメージを被ってしまいます。

 だから敵艦の真後ろに食いつくなんて、まず考えられない愚策中の愚策ということになるでしょうね。


 ええ~~・・・じゃあどういう戦い方になるのって?


 それをこれからのSF作家さんたちが考えるんですよ。

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