「閉ざされた村で殺人隠蔽?!」(「週刊真実(如水出版)」)
「閉ざされた村で殺人隠蔽?!」(「週刊真実(如水出版)」 2015/4 第2週号)
今年3月某日、とある村で人身事故が発生し、轢かれたN氏が死亡した。警察はN氏が心臓発作を起こして線路に落下、進入していた電車に轢かれて死亡したと判断した。事故として処理されたこの一件は新聞の地方版にしか載らないほど些細な出来事化のように思われた。
しかし、編集部に関係者からメールが届いた。メールによればN氏は事故死ではないと言うではないか。正義を心に秘めた熱い記者が一名事件のあったその村へ赴き取材を行った。プライバシー保護のため、その村を仮にX村と呼ぶことにしよう。
◇壊された防犯カメラ
事件のあったX村唯一の駅は閑散としており、駅員が一人いるだけである。田畑に囲まれた駅ではのどかな時間が流れており、とてもここで人が一人死んだとは思えない。
警察はN氏が心臓発作によって線路へ落下したと推定した。ここで「推定」という表現をしているのは、N氏の死体が調べようのないほどグチャグチャだったのに加え、死亡した時のことがはっきりとわからないからである。駅のプラットホーム全体を見渡せる位置に監視カメラが設置されているが、このカメラが事故当日の早朝に突然故障し、N氏が亡くなる瞬間を写していなかったのである。
亡くなる瞬間を写さないために壊れたかのようなタイミング。しかし、不自然なのはこれだけではないのである。駅に設置されていた監視カメラはコードが切れたため故障していたのだが、コードの切断面が、自然に切れたにしてはどうもきれいに行き過ぎていたらしいのだ(関係者談)。
◇重要参考人はX村の名家
当然警察は事故当時駅にいた駅員と運転士を事情聴取した。しかし駅員のT氏の家はX村の名家であったため(関係者談)、警察は十分な捜査もせずにN氏の死亡は事故だと判断した。
T家は戦国時代より続く家柄で、このX村での尊敬を集めている。X村に古くから住む住民は皆口をそろえて、「T家に足を向けて眠れない」というほど尊敬している。閉ざされた村で名家が事件をなかったことにすることがどれくらい難しいのだろうか。
週刊真実は、真相を掴むまで取材を続ける覚悟である。続報を乞うご期待!
如水出版 戸川文夫
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