第4章 第二次大陸大戦

第63話 崩壊の足音

*side 目隠しちゃん(マリア)



あれからずっとルーカス様の情報を集め続けてようやく手に入った


どうやらルーカス様は夏休みのほとんどを使い魔大陸へと行っていたらしい

しかも赤髪の女魔人と一緒にいたという情報も得た


「赤髪の魔人…許さない」


でも私は一般人

魔人には絶対に敵わない

どうにかして力を手に入れたい

その為にまた情報を集めた



2ヶ月経ったけど有力な情報は得られていない


「赤髪の女魔人を殺したい……」


自室で怒りを募らせる


「力が欲しい?」


背後で声がした


「誰っ!!!」


振り向いたけど誰もいない


「力が欲しい?」


また背後から声がする


「欲しい…魔人を殺せる力が欲しい!!」


「あなたの望みを叶えましょう」


その声が聞こえた後、目の前が激しく光った

身体中に力が漲る

これが魔力?


(そうよ)


耳の奥の方から声が聞こえる

先程から話かけてきていた声とは違う声


(私があなたに力の使い方を教えてあげる)


よくわからないけど魔力の使い方を教えてくれるらしい


それから一か月魔力の使い方を学んだ


洗脳魔法を使い人類大陸の王を洗脳した

声によると私が力を得た対価として声の望みを一つ叶えないといけないらしい

王を洗脳して魔人達に戦争をしかけるのが声の望みらしい

戦争になれば赤髪の女魔人を殺しても問題なくなると言われたので協力した


それから二か月かけて戦争の準備をした

その間に魔人を何人も何人も殺した

けどなにも感じない

思えばこの頃から自分の意識がなにか違うものに変わっていた様に感じる


今日が開戦の日だ

魔人達が全大陸を制覇する為に戦争をしようとしている

我々人類はそれを阻止する為に魔人が事を起こす前に攻める

獣人達にも同様の説明をしたところ快く協力してくれた


さあ魔人達を殲滅しましょう


開戦の合図は人類防衛軍の魔法部隊による大規模殲滅魔法

最強の騎士団の最強の魔法部隊の精鋭20名が全魔力を使い発動する様は見ていてとても綺麗であった


「「「「「[アモンス・ノヴァ]」」」」」


魔法を発動すると空が暗くなり

遥か遠くの魔大陸に向け巨大な隕石がいくつも降り注ぐのが見えた

その様子はまるで神の怒りの如く



*side 師匠(ライム)



もうすぐ夏休み

せっかく可愛い可愛い弟子と会えると思ってたのにそれも叶わない


それもこれも魔族を封印している石が奪われまだ見付かっていないせいだ


あれの封印を解くには

受肉可能な人間の肉体に

魔族の系譜の魔人の魂が必要だ

そうそう解かれるものではないしこの条件を知る者も少ない

さっさと見付けて弟子をからかいに行きたい


のだが近頃人類大陸で不穏な動きがあるという情報もある

一体何が起きてるっていうんだ…


なんだ…

急に空が暗くなった


まさか…


俺の想像通りなら魔大陸は崩壊する

せめてクレアだけでもっ!!

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