どうせ

わがままでごめんねって本気か冗談かわからない声で君は言って、僕はうんざりしながらコーラを飲んだ。


ほんとうにそうだよ。

今思い返しても心底そう思う。

もううんざりだ。嫌になる。


だってどうせ決まりきったことだよ。

わがままな君との思い出を、例えば全部持ってタイムマシンに乗り込んだって、どうせ。


どうせ僕はあの交差点へ向かう。


君と出会う交差点だ。

見てろよ、どうせ走って行くだろう。つんのめって、こけそうになって、転んだって、一目散に、脇目もふらず。どうせ君に出会う未来しか選べない。


君が僕の時間を止めた日、それでも世界は動いていた。人々は笑い合い、季節はすすむ。僕の嫌いな冬が来る。タイムマシンはまだ発売されていない。


もう、うんざりだよ、ほんとうに。

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