第13話:新婚初夜にのぞむってな感じですか。おはずかしいッ!。
「はいッ!せいれーつ!」
体育教師が号令を掛けた!。
ビクンとして私は我に返った。
そして、ギリギリまでマーちゃんを見つめつつ列に入った。
マーちゃんも視界から消えるまで私を見つめていた。
マーちゃん……。
私は自分の
今まで勉強させてもらってきた母、
さんざんお世話になってきた澄ちゃん、
そして小さい頃から母子家庭の苦楽を共にしてきたマーちゃん。
私は、みんなに、何かしてあげたのだろうか?。
働きづめの母は、私が
「ごめんね、お母さん」
というと
「学生は勉強が仕事。勉強で恩返ししなさい」
とよく言う。
そう、私にできることと言ったら勉強しかない。
私だって一度は人のためになりたい。
私はマーちゃんを助けたい。
マーちゃんをどうしても追試に合格させたい。
マーちゃん、社会科の追試なんて私ならもってこいだよ。
私が試験勉強手伝ってあげるよ。
追試へのカリキュラム作ってあげるよ。
絶対合格させてみせるよ。
毎日勉強見てあげるよ。
マーちゃん……。
「おいッ、延塚!。ボーッとするな!」
体育教師が注意する。
みんな、どっと笑う。
あ、コノヤロウ、浅野多久美まで笑いやがる。
「浅野!。お前もだ!」
ハハ、ざまあみろって、あ、そうだ。私はこいつと勝負しなければならなかった。
つい忘れるところだった。
実力模擬試験はマーちゃんの追試の3日後。
こりゃあ、マーちゃんの追試に付き合ってたら浅野多久美には勝てないな……。
ヘタするとベスト3さえ危ういことになってしまう。
困ったなあ……。板挟みだよなあ……。
でも、私は生活の
でも、浅野多久美に負けたくない。
もう、どうしたらいいのよ。
だいたい、マーちゃんも石川翔も沢田唯人も勉強しなかったんだから自業自得と言えばそれまでだけど、
でも、今までマーちゃんに世話になったことを考えればたかだか1回ぐらい模試の順位を落としたぐらいで……。
それにたった今さっきのマーちゃんの視線。
マーちゃんは私を笑い者にしなかったよ。
でも、そこに、そんなに深い意味は無かったりして。
私ってお人好しの馬鹿なのかなあ……。
いやいや、そんなこと考えだしたらぐるぐる回ってゴールが見えない。
とにかくここはマーちゃんと話さないとやっぱり答えは出ない。
とにかくマーちゃんと話そう。
その前に、この妙な4年間のブランクというか、わだかまりを
はたしてマーちゃんは本当に私に「ある意識」を持つのか?。
持ってるとして、それは本当に解明できるのか?。
わだかまりは本当に解けるのか?。
とにかく、私はマーちゃんへの声掛けの一瞬に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます