第五話 欠陥品の尋問

「さて、話してもらおうか?」 


 カケルは銃を男に突きつける。


「待ってカケル君」


 カケルは銃を突きつけたまま、声の方角、ヒトミを見る。


 それに釣られて男もヒトミを見る。その目には希望が宿っていた。


 もしかすると銃を突きつけるのをやめさせてくれるのでは?とでも思ったのであろう。


 だがそんな希望はすぐに折られる。



「話を聞く前にその人、縛るべきじゃないかな?」


 ヒトミが満面の笑みで言う。


 対する男は、可憐な少女のまさかの言葉に、マジか…と言う顔になる。  


「そうだな。じゃあ、……縛るものと、こいつの腕を押さえるのと、縛ることが出来る奴が欲しいが……」



「ガムテープ有りました!」


「ロープ有りました!」  


 クラスメイトがすぐに見つける。


「よし。あとは万が一に備えて、こいつの腕を、押さえれる奴……」


「俺がやるぜ!」


 手を上げたのはガタイの良い男子生徒。


「……頼めるのか?」


「ああ、俺は掴む力が強くなる特異体質を持ってるからな!任せろ!」


 男子生徒は早速男の腕を掴む。 


「別に銃突きつけられてる時点で抵抗はしな……イタタタ。ちょ、強く掴むな!」 


「大人しくしてろ」


 カケルが銃を強く突きつけ男を黙らせた。


「後は縛るやつだが、やってくれる奴は……」


「わたしやるよ」  


 手を上げてくれたのは、メガネをかけた女子生徒。


「わたし他の人より、指先を細かく精密に動かすことができるの」


 そう言いながら、男を見たことも無いような縛り方でロープで縛る。


「よし、これで解けることはないと思う」


 メガネの女子生徒は男からそう言い離れる。


「それじゃあ、話してもらおうか」


 カケルは男に目を向け銃を強く押し付ける。


「ちっ、分かったよ!」


 男はやけになり話始めた。







 ―――――――――――――――――


「まず、お前たちの目的は何だ?」


「お前たちの様な特異体質者を人質にして、金を請求するためだ」


 バンッ!


 銃声がなる。


「それだけじゃ無いだろ?」


「いや、それだけだ……」


 バンッ!、バンッ!


 2発、銃声がなる。


「で、目的は?」


「……お前ら見たいな化け物を殺すためだよ!そうすれば、他の特異体質者も怯えて俺らみたいな人間に逆らわなくなるだろ。これでいいか!!」


 男は目を瞑り、殺される覚悟をする。


 だがその心配は杞憂に終わり、尋問が続く。


「なぜこの学校を狙った?」


「お前も知っての通り、この学校には異常なほど特異体質者が集まっているからだ」


 男の言う通り、カケルたちが通っている学校は普通の学校よりも多くの特異体質者が在席している。


 それがどれくらいなのかと言うと。


 普通の学校での特異体質者の割合は、多くてクラスに2、3人。

 だがこの学校はクラスの9割の生徒が特異体質者である。


 カケルは、その後も多くの事を聞き尋問を終える。


「さて、それじゃあ眠ってもらうか」


カケルは銃を構える。


「は?眠る……ってまさか。やめろまだ死にたくない!!」


男は後ずさろうとするが、縛られてるせいで動けない。


「大丈夫、痛みは一瞬だ」


カケルは銃を振りかぶる。

 

そして――


「や、やめ……ぐはっ!」


男を思いっきり殴る。……銃で。 


そんな打撃を受け男はガクリとする。


「よし、完璧だ」


「さすがカケルくん♪でも銃は鈍器じゃないよ」


そんな二人のやり取りを見て、クラスメイトは

「う、うわぁ」と敵に同情しながら引く。   


「さて、情報もいただいたし反撃開始と行くか」


「おー!」


クラスメイトも二人におされ、


「「お、おー……」」 


と、テロリストに反撃する気持ちを一つにするのであった。





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