仮想粒子の葬列

ゆくゆくはこれらの細胞も

みな死滅してしまうというのに

なぜ記憶だけはいつまでも

私を私たらしめていやがるのだろうか


それともそれらもまやかしと思うべきなのか

みな死した細胞による言い伝えに過ぎず

生ものなんざ存在しないのだと

そもそもこの嘆きこそを

言い訳と揶揄しておくべきなのだろうか


これが動的平衡か


そうして不可抗力の分解と不可視の合成を

幾度となく繰り返してできたのが

この程度の詩しか書き連ねられぬ私らしい

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