「人事部のポチ部長、辞めるらしいぜ」

同僚が小声で言った。

ポチ部長は柴犬ではあるが、犬というものは人間に序列を付けると考えられていた為、人事部で異例の大出世を果たした切れ者だった。

「犬が序列を付けるというのは、もう古い考えなのかも知れないな」と私は答えた。

しかし、同僚も私もポチ部長には、若い頃から可愛がってもらったのだ。

時代の流れを感じ、二人して天を仰いだ。

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